カーディフ×ブラックバーン(CS)

FAカップ。所属リーグ下位に低迷するチーム同士の対決。カーディフのホームゲームでブラックバーンを迎えた格好になったため、細かい部分はともかく、内容としてはほぼ互角に終わった。結果もドロー。どちらも連携が悪い。いつもプレミアの流れるようなパスワーク、勢いのある縦への攻撃、激しい守備を見ているせいか、虫の居所の悪い若者集団の小競り合いを見ているみたいで、あんまり印象の良い試合とはならなかった。1−1のうちわけは、ぽかっと開いたスペースから抜け出したブラックバーンの1点と、詰まって落としてセンタリングからヘッド、というお手本のようなカーディフの1点。これで内容が緊迫して攻防のレベルが高ければ、と惜しい気がする。どちらも隙を突いた形だっただけに。
双方にあんまり知っている選手がいないとなると、勢い稲本ばかり見てしまうわけだが、ヒトコトで言えば、まだ寝てる感じ。解説の風間氏が「縦に出るのが早過ぎる」と繰り返すのが象徴的で、動き出しのタイミングが悪い上に、傍観者になる時間が多すぎる。知った風なことをいうと、典型的な不調時のパフォーマンスだと思う。もともと積極的に最前線でボールを奪い合うというより、自分のテリトリー(これが広いのが特徴)に入ってきたら間髪要れずに奪い返し、機を見てフィニッシュまで飛びこんでいくというのが持ち味。ところが、仲間にスペースを空けるでもなく、開いてサポートに回るでもなく、距離を取ることもせずにボーっと眺めているように足が止まるシーンが目に付く。たまに走っていても、他の選手のフォローがない状態でただボールをチェイスするだけ。そうは言っても片鱗のようなものが出てくるのは、さすがにプレミアでもまれただけあるかなぁ。更に風間氏に「いいところを発揮してチームの中心になるべきだ」という再三のツッコミを頂戴するのだけど、そんなの本人も含め、見ているみんながわかっとるって。といっても少々気になるのは、セントラルミッドフィールダーを1人で努めるか、ハブのできるボランチの相方がいないと機能しなくなっちゃったんじゃないだろうな?ということだが、無理矢理ポジティブに考えるため、小野が怪我して復帰した後も、こんな感じのもっさりさ加減だったよなぁ、と思い出してみる。
どちらにせよ、今の稲本は北朝鮮戦に間に合うパフォーマンスではなさそうに思える。ホームだし削りあいにはならないだろうし。フィジカル勝負になる中東勢との試合には間に合わせてもらいたいメンバーなことは間違いない。焦ってまた怪我しませんように。再試合に勝てると良いけど…。