vsカザフスタン(VHS録画)

今年最初の日本代表戦。相手はいつの間にか所属をUEFAへ移していたカザフスタン。結論から言えば、仮想北朝鮮とも思えず、どうしてもここで練習試合をしておきたいという理由だけで来てもらったという感じしかしない。内容も調整という言葉がぴったりで、わずかな場面をのぞけば、親善試合らしい、激しさもなければ、覇気もない、のんびりとした展開。そして、お互いに精度の低いプレーの連続。そんな中で個々の感想もないのだけど、いってみよう。

川口能活:GK
DFのポカで抜けてきたようなボールにも落ち着いて処理し、1試合を通じて集中力を維持。全く不安はなく、頼もしさだけが漂っていた。

加地亮:MF、DF
前半の立ち上がりから、ライン際を駆け上がって攻撃参加。これを期待されているのだから、どの試合でも披露していただきたい。今後は1度も上がらなくなってしまうんじゃないかというくらい、積極果敢なプレーだったが精度は今ひとつ。結局、得点に絡めないどころか、決定機を作ることすらできなかった。これを高めて、ぜひ、持ち味を存分に使ったプレーを1試合通じて見てみたい。

田中誠:DF
坪井と交代して退くまで、安定した守備を披露。無理せず、という感じが伝わってくるも、プレーのいいかげんさは無く、充実しているのがわかる。カザフスタンの攻撃をほぼシャットアウト。

松田直樹:DF
久しぶりにフル出場を果たす。ライン3の中心でコントロールをしながら、長いフィードとセットプレーでの攻撃参加で、代表初得点もマーク。ほぼカンを取り戻したようで、危なっかしい場面はほとんど無し。

中澤佑二:DF
ややもっさりした感じだったが、松田や田中誠同様、安定した守備を披露。左のストッパーとしてアレックスの後ろでバックアップに専念。

三都主アレサンドロ:MF、DF
FKから1得点も、流れの中ではどうも上手くいかないようで、イライラした場面も見受けられた。いいかげん、工夫の無いフェイントは封印してほしい。最近、あれで抜け出たためしがない。再三の指摘になるが、預けて裏へ行ったときの方がチャンスらしいチャンスになっている。自分でも得点できる形になるし。

福西崇史:MF
いつもの前線へ飛び込むプレーや激しいコンタクトなどは目立たなかったが、その代わりに、後ろのディフェンスラインとの連携などを含め、ポジショニングに気を遣っていたようにも見えた。ぐるぐる動き回るというよりも、スペースをしっかりと抑えていた感じ。派手さはないが安定感抜群。

遠藤保仁:MF
中田浩の代役とはいえ、はっきりと計算できる戦力として健在。攻撃回数こそ控えめだったが、守備面ではいつもどおり。

小笠原満男:MF
どちらかといえば良くなってる。自分から何かをしようという気持ちが伝わってきた。玉田の得点を引き出したスルーパスが象徴するように、パサーとしての力を発揮した。囲まれてしまう回数をもう少し減らすか、自分だけで前へ行けるとなお良い。が、相手がこのレベルだったから、という注釈を評価へ引っ張っていかないように、強豪や本番での活躍を期待したい。

鈴木隆行:FW
相変わらず、鈴木らしさを漂わせたプレーに終始。可もなく不可もなく。強いて言えば、今日はボールを大事にしすぎか。もう少し強引に行っても良いところもあったように思う。勢い、前に向く回数が少なく、楔としての機能が目立った。得点に絡めないまま、後半に大黒と交代。

玉田圭司:FW
2得点と結果を出す。相手がゆるかったとはいえ、立ち上がりの先制ゴールと、小笠原のスルーパスを受けての抜け出した得点。どちらもいい感じではあったが、欲を言えばもっと取っても良かった。

阿部勇樹:MF
A代表初出場。後半から福西に代わって登場。「前からいたよね?え?初めて?あ、そう…」という一人芝居をしてしまいたくなるくらい、溶け込んでいた。とはいえ、まだまだこんなもんじゃないはず。FKで沸かせただけの顔見世ではなく、北朝鮮戦に出るくらいの勢いでやっても良かったのではないか。本職の中盤で後半丸々プレーできたのだから、そういう意味ではもっとアピールしてもらいたかった。

大黒将志:FW
A代表初出場。投入直後に強引にシュートを放つあたり、期待されているものを理解しているのが伝わってくる。が、15分では気迫を見せるのが精一杯。今度はハーフくらいは見たい。

坪井慶介:DF
久々の代表も残り5分では…。

藤田俊哉:MF
こちらも投入後の残りが5分では評価は難しい。

本山雅志:FW
短すぎて評価なし。

睡魔をこらえるのが大変なくらいのんびりしたゲームでの4得点。得点内容はあんまりよろしくないが、零封は良いとしよう。ただ…これで何か準備ができたと言えるんだろうか。一抹の不安は残る。中東勢との試合がちょいと不安だ。