大宮 vs 神戸

さすがに浦和のような大応援団が駆けつけるでもなく、ちょっとさみしい1万人弱の観衆が集まった埼スタ。小気味よいボール回しでポゼッションサッカーをする大宮に対し、落ち着いて受ける神戸。神戸から藤本はいろいろと思うところはあるかもしれないなぁ、とか、東京Vから大宮の桜井、東京Vから神戸の三浦淳、浦和から神戸の室井など、注目すべき選手が多い。補強の具合から言うと大宮の方が良さそうに見えるが、神戸も元々悪いわけではないところに、経験豊富な選手を足してバランスがよくなっている気がする。
試合の感想は「なんだかなぁ」。これは決して選手が悪いわけではなくて、主審のしきりが悪いため。吉田寿光氏よ、なんとかしてくれ。桜井が倒れたシーン。あれをシミュレーションと言うのか?倒れたけど何もアピールせず、すぐに立ち上がって次のプレーへ行ったんだぞ?どうして「罰する」必要があったんだ?その前だって桜井はアピールしてない。しかも、あれで2枚目。退場だ。何度も言うようだが、Jリーグの試合は、スポーツであるが、興行でもある。アウェーの選手が退場するなら、まぁ仕方ないという向きはあるが、ホームチームのエースクラスが簡単にいなくなる。こんなつまらない試合はない。退場した本人はつまらないカードをもらわないようにする責任はあるが、あれは無い。神戸がカズと幡戸を引っ込めたことで迫力を失ったから大宮は助かったという感じだ。
ジャッジがヘボくて結果はドローだったが、選手たちはみんな闘志を失わずタイムアップまでファイトをしていて、おもしろい内容だった、と言っておきたい。
大宮は一瞬の隙をつかれた形での失点を反省する必要はあっても、2試合で1勝1分なら、少なくとも堅守が通用しているという自信を深められるだろう。マーカスと金澤の若いボランチコンビは、経験を積めばもっとチーム力があがるはず。藤本は大宮に欠かせないタレントかもしれない。キープ力と視野の広さ、技術の確かさ。もう少しプレースキックの精度が欲しいが、確実に攻撃のキーマン。それから、桜井の経験と技術も良い。それらタレントのなかで決して劣っていないトゥットだが、今日は彼の日ではなかった。何度もイージーパスミス、判断ミスを繰り返してチャンスをつぶしてしまった。注目したいのはGK荒谷。技術の高さ、判断力、瞬発力、反応の早さ、落ち着き。この試合に限って言えば、バランスが良く安定して見えた。これが毎試合続き、このまま向上していけば代表も狙えるかもしれない。
神戸はまだ新戦力との融合が済んでいない感じ。例えば、三浦淳は、個人ではいいけど周りとのコンビネーションがまだまだ。しばらくみていなかった幡戸が、ずいぶん怖いFWになっていて驚いた。それと、カズの調子の良さ。後半になってパッタリ足が止まった感じはしたが(後半14分にエムボマと交代)、この試合でも先制点を決めるあたり、嗅覚の衰えはなく、コンディションのリズムと合ってるようだ。それ以外だと、ホージェルホルヴィの「ホ」コンビ。どっちも守備の選手なのだが、しつこいしつこい。高い集中力で相手を離さずに確実につぶす。ボール扱いも上手い。ほんとに、地味に良い補強をしてる感じ>神戸
とういうわけで、この両チームのようなクラスのチームが良い試合をするようになれば、J1も本物に近づいていくというもの。両チームの監督が、カード3枚を使い切る思い切りの良い日本人というのもうれしい感じがする。今後に大きく期待したい。