ウズベキスタン×サウジアラビア(BS)

細かいパスでゆーっくり攻める、前時代的なのんびり攻撃と、固い守備からガツガツ繰り出すカウンターというコントラストが魅力のサウジアラビア。個人的には、バランスのよさでアジア随一の強国だと思っているわけで。ウズベキスタンは、前回大会でちんちくりんにやられた格下。さて、どうなることでしょうか…。
という感じで、サ>ウの図式からスタートしたのですが、どうして、どうして。ウズベキスタン良いじゃないですか。長短のパスを使い分ける分、サウジよりモダンに見える。守備が堅い同士だが、中盤守備はゆるゆる。ウズベキスタンは長いボールを入れてくるのに、サウジは全然プレッシャーをかけないので押し込まれる。先制点のシーンも、寄せが甘くてやられたような感じ。あんなにゴール前で眺めちゃだめだろ。シュート打ったほうも、フェイク→ワンステップでシュート、という早いプレーで交わしたのがすばらしかったというのもある。サウジは、本当に上手くボールをつなぎ、ヘンな失い方をあまりしない。日本代表よりボールポゼッションははるかに上手い。その代わり、ゆっくりになると徹底的にゆっくりなので、それ以上崩せない。皮肉なことにカウンターの方が何倍も鋭い。前半は、サウジペースなのにウズベキスタンの貢献度が目立つという、不思議な試合。
後半になると戦い方を変えたのか、サウジの中盤守備が活性化。ガシガシとボールを奪いに行く。それでもウズベキスタンは身体的なアドバンテージを生かして簡単には突破されない。サウジも長いボールを放り込んだりしているのだけど、あまり効果的ではない。J リーグ発足の頃、日本人が海外のチームとやると、いつもセンタリングをひっかけてしまっていた(=リーチの差に対して感覚・経験値がない)のを思い出す。なんか、ズレているのだ。「超えた!…と思ったらひっかかった」というパスが多い。決定的なシーンを生み出しても、イマイチ足らない。惜しい。心情的にサウジを応援しているのに気がつく。
それにしても…両チームともなんでこんなにチームコンセンサスが取れているような動きなんだ?日本もそうだったよな?一体…?と思うくらい、ボールの流れがあまり滞らない。手詰まりになっても動かしている感じ。ウズベキスタンのボールの逃がし方。サウジの細かな繋ぎ。大きな展開が少ないので、最先端という感じではないにしても「身の丈サッカー」とでも言いましょうか。自分達のスタイルで堂々と戦っている。トータルで見れば、さほど迷いがない。
日本がオートマチズムを取り戻して、小気味良いサッカーができるのは、いつのことなんですかね…。と思って眺めていた。