vs ベネズエラ(国立)

このマッチアップのセンスはすごく良いですな。最後のツメの甘さはあるにしても、早くて強く、テクニシャン揃いという点ではなかなかぴりっとしたところがありました。もっとも、結果を見てしまえばさほどの驚異でなかった。では、また個人個人見ていきましょう。

曽ヶ端準: GK
終始安定したプレー。ハイクロスにも果敢に手を伸ばして跳ね返す。不調かと心配したこともあったが、林と交代するまで全く問題無し。

茂庭照幸: DF
ガチガチのマンマークも、ゾーンも、カバーリングも一通り行い、かつ、汚いつぶし合いにも応戦。ちょっと温度が上がった時間帯もあったが、頼もしい守備っぷり。「せめぎあい」になったら、この人はホント頼もしい。

田中マルクス闘莉王: DF
相変わらずのパスミス番長。ドリブルでの攻撃参加よりフィードが多かったが、そのフィードが、狙いが良いときほどつながらないという悪循環。頼む。見てるところはとても良いんだから、パスを正確につないでくれ。お願い。

那須大亮: DF
横浜の超攻撃的 DF の系譜を完全に継ぐつもりなのか?というくらい、スムースな攻撃参加を繰り返し行う。同じサイドの森崎を踏み台にしてどんどん前へ進出し、長いフィードで攻撃をサポート。茂庭、闘莉王とともに完封勝利に貢献した守備面も身体を張っていてよかった。

徳永悠平: MF
いつもより守備に手を取られ回数が多かったが、それでも攻撃してみせるのが頼もしい。スピードを生かした突破、フィジカルコンタクトの強さでの守備、日本人選手には珍しい、身体能力の高いサイドアタッカーとして、右サイドのポジション争いは、頭一つ抜けた感じ。

今野泰幸: MF
うーん。いつもの今野さんからすると大人しかったですね…。守備だけの人だったらあなたを連れて行く意味があんまり無いんで、次はもっと阿部とバランスをとって攻撃参加していただきたいと思います。という感じ。つぶし、つなぎ、前へ、というのは良かったのだけど、ゴール前での良いプレーが少なく、残念。

阿部勇樹: MF
今日はじっくり見せていただきました。かなり良かったです。長短のパスを繰り出しつつ、集中守備の中心として攻撃を中盤で食い止め、早い展開・早い攻撃の起点となってリズムを生み出していた。最前列まで飛び込んでいくシーンもあり、コンダクターとして最高クラスの働きだと思う。

森崎浩司: MF
地味に深い位置からターンオーバーで攻撃の起点となる。那須、阿部らとサイド攻撃を再三ストップし、その那須を使って広く攻めるような組み立ても見せた。繰り返しになるが、地味ながらもきちっと任務を遂行。落ち着いていて良い。計算できる選手の 1 人。

松井大輔: MF
ボールにはさわっていたし、得点を演出してもいたのだけど、なんとなーくちょっと物足りない感じがした。ボールをロストせずにきちっと攻撃へ持って行くのは素晴らしいのだけど…。周りが良かっただけにそう見えてしまった気がする。もしかしたら、ゴール前まで切り込んでいくシーンより、サイドからチャンスメイクするシーンが多かったからかも。しかし、この人はボールを失わないなぁ…。

大久保嘉人: FW
最初小競り合いがあったときは「うわ、また警告番長復活か?」と心配したが、そんなもの無用。周りが置いて行かれてしまうこともあるくらい、キレキレ。ドリブルもさることながら、パスの緩急、攻撃のアイディア、フリーになるタイミング、そして得点シーンにもなった、飛び出しからのシュート。他の選手より上のステージへ行った感じがする。これ以外にほめる言葉が見当たらないくらい良い。今後に期待大。

平山相太: FW
評価が二転三転してしまうのだが、この人は使い方が難しい。周りが呼吸を合わせてやれば非常に良い仕事をするのだけども、自分から速い流れに乗るところまでは行ってない。ただ、フィジカルコンタクトに優れる相手との競り合いで自分のバランスを保つことには慣れたらしく、前半で見せた反転シュートはその成長ぶりをうかがわせる。 1 回リハーサルがあったが(あれは決めないと…)、きっちり高さを生かした得点をマークしたのは良かった。

駒野友一: MF
時間が短かったのと、周りが良すぎたこともあって、いつもほど目立たず。途中投入でもきちっと仕事はできるので、特別な評価はなし。厳しいかもしれないけど…この人、印象よりすごいプレーヤーだと思うので。

田中達也: FW
今日の 4 点目が出るまで、 FW でこの人だけ得点無しで、ちょっと寂しかったので、FW が全員揃って得点したというのは朗報。シュート 5 本で 1 点だが、それは積極性の表れ。ほとんど枠へ行っていたし。しかし、DF の裏から弾丸シュートとは恐れ入りました。あ、平山と高松のアシストはこの人。

高松大樹: FW
田中達也の厳しいセンタリングを見事にダイビングヘッドで押し込む。平山と競り合うことになるだろうが、平山が良いプレーを再三見せた上で得点しただけに、得点が当然のノルマになってしまったというハイレベルな争いでもあった。中盤の低い位置までパスを引き出しに戻るなど、動きは良かった。スピードに乗ったドリブルを仕掛けて DF を振り切ってみせるなど、調子はよさそう。

石川直宏: MF
うーん…周りが得点したので、ちょっと空回りしたかも。別にあわてている感じは無かったのだが、持ち味のサイド攻撃はあまり効果的ではなかった。まぁ、このくらいで腐る人ではないので次に期待。

菊池直哉: MF
10 分程度のプレーだったが、きっちり中盤を抑えてコントロール。割と小競り合いで温度があがってきた時間帯での投入だったが、怪我しないでよかった。

というわけで、かなり細かく見れたわけで、やっぱサッカーを見るのはスタジアムに限りますね。合計で 7 得点(女子× 3 、男子× 4 )も見れたのはなによりでござる。とにかく今日は涼しかったので、動きがキビキビしていたのも満足。内容、結果ともに満足なゲームを見れるってのは、ほんとに贅沢です。