サッカーマガジンを買う。

すごく久々に、そう、催眠術をかけたとしても、以前買ったのがいつだったかを思い出せないのではないかというくらい久々にサッカーマガジンを買った。今まですっぱりと買うのを止めていた理由は 3 点。まず、雑誌(印刷物)という制約上、インターネットやテレビで見る情報には敵わない。Jリーグや海外サッカーの結果やハイライトをすぐに見ることができる環境がすっかり整ってしまった。また、止めた頃の雑誌の構成は明らかに紆余曲折のまっただ中にあり、まだ「速報」などと自己満足のスピードアップをウリにしようとして中身がスカスカになってしまっていたのだ。買う価値はすっかり失せていた。そして、これは仕方ないのだが、読み手が育ってしまったために試合の分析などに満足できなくなってしまっていたのだ。
今回買った理由は何か。五輪代表としてアテネに行かず(正確には行けず)、五輪代表にも呼ばれなかった選手のインタビューが巻頭を飾ったからだ。こういう記事ならぜひ読みたい。純粋にそう思って、キヨスクのおばさんに 1000 円札を差し出し、小銭を受け取ったのだ。
感想は「面白かった」。急成長を遂げ浦和の救世主・核としてその名を売った長谷部誠。ムラはあるものの、キレのあるドリブルとボールコントロール、チャンスを嗅ぎ取る抜群の嗅覚で FC 東京の攻撃陣を引っ張る馬場憂太エムボマが去った東京 V の攻撃隊長・平本一樹という豪華な(?)の 3 人分のインタビュー。想いも、目標も、視線も異なる 3 人の口から出てくる言葉に共通するのは「向上心」。雑誌の見出しにもなっている「新・世界基準の男」はどうだか分からないが、このまま順調に成長していけば…という気にさせると言う点では期待したい選手たちなのは間違いない。それぞれのパーソナリティの差(特に平本はあれほど「とんがった」男だと思わなかった!)も分かって面白い記事だった。
こういった内容を毎号提供してくれるのであれば、雑誌を買い続けるのも悪くはない。代わらずに残る唯一の問題点は、読んだ後で必ず邪魔モノ(=ゴミ)になることだけだ。