vs 北朝鮮戦(VHS録画)

2次予選初戦。中継は2局あるが当然のようにBS1を録画。あの鬱陶しい「絶対に負けられない戦い」は聞きたくないので。エビジョンイルも関係なくなったことだし。
簡単には得点できないとは思ったけど、こんなにてこずるとも思わなかった。前半は本当に良かったんだがなぁ。主審のジャッジも微妙にズレてたのがフラストレーションの元に。贔屓目を無くしても、北朝鮮の選手への警告が少なすぎ。まともだったら1人くらい退場してるはず。とにかく、自分が残されたときに引っ張るのがヒドすぎ。同じようなことをした(肩で突き飛ばしたのだけど)のに一発で警告を食らったアレックスにしたら「なんだそりゃ?」という感じかも。
前半は期待以上、後半は期待以下。この調子が最低であって、これから右肩上がりになることだと考えることにしよう。でないとストレスがたまる。いよいよもって、イタリア代表みたいな戦い方をするチームになりつつある(個々のレベルは比べるとか以前の問題だけど)。ボール回しもいいリズムだったし、ボールが回っているときだけは、ホントに「レベルがあがったなぁ。日本代表も」と思える。なのに…。予選は難しいということか。
では、いつものとおり個々の感想へ。

川口能活:GK
失点シーンは事故気味だったけど、蹴る前に山張って体重移動していたのはいただけない。たまにあるこういうプレーは完全には抜けないなぁ。ピンチをしのいだし、それ以外の面では全く問題ないからこそ、失点だけが何しろ悔やまれる。得失点での「1」の怖さを、いまさら知らないなどというわけではあるまい。

加地亮:MF、DF
本人にしたら調子は良いほうなのだと思うが、いつも通りのなまくらなプレー、特に守備面での甘さ(完全に間に合って詰めているのに、あるいはカバーリングできているのに取り返せない)は相変わらず。比較的いい形でボールを受けても必ず前に1枚いたので、少々やりづらそうではあった。やや不満。

田中誠:DF
余計な警告を頂戴して次節は出場停止。さほど厳しい場面でもなかったし、不運ということか。いつも通りの、期待通りのでき。同点にされてから、攻め手を増やす(中村を投入する)ために交代。この人は本当に安定しているのでコメントしづらいけど、それだけ計算できる存在に見える。ストッパーのスペシャリストというか。

宮本恒靖:DF
危なっかしいデキ。3バックのコンビネーションはバラバラっぽかったし、なんとなく自信無さそうに深めのラインだし。かと思うと、ゴール前まで突っ込んでいったり、久々でカンが戻ってないのかな。なんだかふわふわとした、落ち着かないプレーが多かった。居るのはわかるんだけど、貢献度は「?」という感じ。

中澤佑二:DF
あんまりコンビネーションが良くなかったか。個人のプレーの質は相変わらず頼もしいくらい安定しているのに、周りとかぶるシーンが多かったように思う。調子が悪いというより、まだ本調子ではないというのが正しいか。

三都主アレサンドロ:MF、DF
このところ天狗になったか?やや簡単にエキサイトしすぎる場面が目立つ。ポーズだとしても危険。後半になって縦の突破ができなくなると同時に、相手の縦への突破を許す=スタミナ切れするのを、何とかしてほしい。どうせジーコは下げないのだから。でないと、いくら後ろでカバーする中澤がすごいと言っても、後半に左サイドに必ず穴が開くことになる。

福西崇史:MF
相手GKのパンチングのこぼれを軽く落としたのが、決勝点のアシスト。試合前の想定より攻撃へ顔を出せていた。今日の大きな問題は1つ。遠藤にもいえることだが、バイタルエリアへの楔のパスを簡単に通しすぎ。レシーバーが受けるのと同じくらいにプレッシャーをかけなければいけないと思うんだが、レシーバーに入ってから「さて」というタイミングで寄せるため、その後の早い展開には振り回されないが、前を向かれたり、きれいにポストされたりして、ややいやな形が多く見られた。中東勢にそこを提供したら真ん中を突破されるはずなので、修正してもらいたい。アジア杯のレベルにまで戻せば十分過ぎるくらいなので。

遠藤保仁:MF
攻撃のパスがいまいち。ひっかかるとか、届いても効果的ではない場面が多かった。それでもチャンスのお膳立てをして、持ち味を見せた。試合前に期待したようなパス元にはならなかったが、中村が入った時間以降は、ずいぶんと前へあげていけていた。問題点は福西と同じ。バイタルエリア付近を使われすぎ。

小笠原満男:MF
前半は非常に期待できた。先制のFKも見事。が、その後から後半に向かって流れを渡してしまった。原因の1つはパスの精度(小笠原だけじゃないけど)が悪くてロストする回数が多くなったことと、ボールを前へ前へと急がせすぎたこと。前を向いてノーチャンスだったら下げても良いじゃないか。中村のプレーが良いお手本。駄目なら下げてポジションを代えて、ボールを受けなおす。何も、ボールを持って前を向いたら全部攻撃しなきゃいけないなんてことはないんだからさ。後半に見せたミドルシュートは良かったので、あれを前半からやって欲しかった。そうしたら、もう少し北朝鮮のDFを下げておくことができたかもしれないのに。細かいことは気になるが、経験を積んで更なる向上を期待。日本は、もう1人の本格プレーメーカーを手にいれらるかどうか、というところにあるのだから、ぜひがんばって欲しい。

鈴木隆行:FW
今日は全く駄目。チャンスに顔を出しても、楔を受けてもつぶれすぎ。この伝家の宝刀ともいえるファウルゲットはもう良いから。ちゃんと受けて、振り向いて、落として、起点になってください。後半に高原と交代でお役御免。

玉田圭司:FW
予想通り、何度か裏へ抜け出る形を作ったがノーゴール。相手DFが厚みを持たせて(=深さを作って)守っていたので、フリーではなかったけど。それでも得意な形(左めに流れてシュート)があるだけに常に得点を期待したい。後ろからのボールはたくさん出てくるのだから。

高原直泰:MF
少しその高くなった鼻をどこかで折って捨てて来い。そういうつもりは無いのかもしれないけど、そう見えてしまうからあえて言う。ビッグチャンスのシーンできちっと枠へ流し込めないで、アクロバティックなボレーなんて打つから外れるんだ。ホントにあんなすばらしい2ゴールした人と同一人物?口だけならホントに帰ってこなくて良いよ。お互い損するから。次節以降期待。この人の強さと経験はどこかで役に立つ機会がきっとあるはずなので、もう少し真摯にプレーして欲しい。本人はどう思ってるかわからないけど。外からはそう見えるってことで。

中村俊輔:MF
負傷はあるだろうけど、試合に出てるため試合勘はあって調子自体は悪くなかったと思う。ボールを失わないという信頼感のあらわれか、登場後は日本のボールの持ち方が落ち着き、流れが戻る。「ボディコンタクトしたくない」ということなのか、彼なりの組み立てなのかはわからないが、「もらった位置が悪いと預けて消える」を繰り返し、いつの間にかオープンスペースでルックアップできているというシーンが多く、そのスタイルに賛否あるかもしれないが、確実に向上はしていると思う。

大黒将志:FW
言うことなし。FWがFWとして、交代選手が交代選手として期待されていることをきちっとやってのけた。文句なし。インタビューを聞く限りでは余裕がなさそうだったけど、古い言い方でいうところの「秘密兵器」扱いの今は、まだそれでいいと思う。とにかく、ベンチスタートでもモチベーションを維持してくれることを期待。国内日本人最高のストライカーを鍛えない手は無いよね、ジーコさん。

収穫は小笠原が鹿島でやっているようなリズムで戦っていたことと、中村の質の高さと影響力が増していることがわかったこと、大黒が得点したこと、そして勝ち点3を得たこと。いろいろ問題もあるけど、それはまた次までに考えればよろし。