浦和 vs HSV(TVS)

アマチーム時代に高原の底上げをし、トップ就任と同時に若手、やる気のある選手を積極活用して HSV を立て直したトーマス・ドル。一応、ステージ王者になった浦和を率いたギド・ブッフバルト。90年代初頭に活躍したこの人たちが、監督として相まみえる日が来るとは。年寄り臭いが、時の流れを感じてしまう。どうしても。
で、とりあえずダッシュで帰って後半から間に合って見た。のだけど、どうなんだろう。この試合内容は。浦和のブツブツと切れたサッカーに、どっしり構える HSV 。良い喩えかどうかわからないけど、イメージとして浮かんだのは「小学生に対して揺るがない高校生」という感じか。ゆるゆる気味で守っても(そう見える。一所懸命なのかもしれないが、余裕がある)、最後で足が届くリーチを、浦和は交わせない。この、あと少しのリーチをかいくぐって、その先を通して、シュートやパスを出せるような経験値が足らないのがよーく分かった。だって、アルパイが普通の選手だもの。田中達の、岡野の、エメルソンのスピードが通用しないんだもの。決して巧いわけではない。でも、基本的なプレーの確かさと、集中力、戦術眼と読みがどの時間帯でも衰えないし、揺るがない。ブンデスリーガで見ていると、なんとなく勝てそうな気もしたのだが、やはり欧州のトップリーグでプレーしているチームは違う。
とはいえ、全くのお手上げかと言えばそうでもなく、瞬間の抜け出しで、チャンスは何度も作った。ただ集中力が足りず、決定的なチャンスを沈められなかったことは痛い。誰が悪いのでもなく、「親善試合だから」のような、のんきさがどこかに漂っていたと思う。また、失点2つも事故だとか、無理だとかいう形ではない。若手を多く起用したために、いつものバランスが無くなったという面もあるかもしれないが、まだそこまでチームとして徹底できていないということかもしれない。誰が出ても…という意味において、トップとして戦えるグループは、まだ 15 人程度であって、サテライトや、ユースからの抜擢組には浸透していない模様。そこまでいけるようになる頃には、浦和も、いや、日本のサッカーもずいぶんレベルが上がっていることだろうと思う。
久々に、日本の位置(浦和なんかで測るな、という方もいるかもしれないが)を確認した感じがする。
それにしても。湯浅氏は本当に良くお話になる。マシンガンかと思った。ドイツを語らせたら右に出る人はいないのは分かるが、落ち着いて話してね。お願い。