日本 vs ベナン

時間が合わなくて後半から見る。まず最初に言っておきたいのは、先のオランダ戦、全くの無駄にしなかった選手達の姿勢はよかったと思う。オランダ戦のダイジェストを見たとき、後半になって修正をして、1点を返していたのでちょっと驚いた。前半で寝てしまって大変失礼しました。
その経験値をそっくり持ったままでのベナン戦。全く知らない国。ノーデータ。アフリカということすら、当日まで知らなかった。この試合を見た限りでは、典型的なアフリカのチームだと感じた。身体能力が抜群で、ボールコントロールがやわらかく、競り合いに強く、貪欲にボールを拾って攻めてくる。得点シーンの大きな、早い切り替えしは、オランダのクインシーにも共通する、黒人独特の(って書くと、とある方面から怒られそうだが)リズム。そして、短気を起こしたり、集中力が突然切れるというところまでもが、若いアフリカのチームっぽかった。日本がスピードとフィジカルコンタクトに慣れてきて、だんだんとインターセプトやタックルが成功し始めたことで「あー、そろそろ誰かキレても良さそうだ…」と眺めていると、案の定、2枚目をもらって1人退場。直接ファウルしたんじゃないんだから、黙ってりゃよかったのになぁ。
日本は落ち着いていた。オランダでのバタバタぶり(前半の印象しかないんで…)がウソのよう。目に付いたのは、やはり…という感じだが水野と家長。良いコンビで左サイドをガリガリと削っていったのは痛快。上背がなくたって、バネが負けてたって、トップスピードが劣っていたって、やれることはある。それを示していた感じがして、見ていてとても気持ちがよかった。そして同点弾となったFKも見事。速いボールではなく、落ち方も驚くほどではなかったが、経済コース−壁の上ギリギリ−を通過して綺麗に収めた。久しぶりに日本選手がFKを決めたのを見た気がする。(そう言えば、W杯予選で小笠原のFKもあったけど)
一方、相変わらず、どの世代別代表でも引っ張りダコの平山だが、正直よろしくない。久々にマジメに見たが、ポストプレーが上手くなってるわけでもなく、競り合いを工夫しているわけでもなく、やわらかいボールタッチを生かした足元勝負に切り替えている様子もなく。カンタンに言えば「上手くなったなぁ」という印象が無い。正直、これだけ代表に呼ばれているのに、印象があんまり変わらない選手と言うのも珍しい。決して平山を叩いているわけではなくて、心配している。「上背がある」という切り札的な素質が生かされていないのは、本人はもちろん、関係するチームにとっても大きな損失だから。ディフェンスラインに入っている増島も期待外れとはいかないまでも、伸び悩んでいるという感じがするが、それ以下。しかも、ハイクロスで勝てないのに、高さが頼みの選手をいつまでもピッチに立たせておくんだから、大熊監督から見ると、やっぱり何か良い所があるんだろう。外からでは分からない何かが。後半の交代シーン、平山にかえるのは苔口だったんじゃないかな。あのデキの家長を下げちゃ勿体ないだろうと思ったんだけどなぁ。
というわけで、勝ち点1を稼いで首の皮をつないだのは良かった。次のオーストラリアに勝てれば決勝トーナメントだ。相手関係だけで推測すれば、ベナンにドローで、オランダにボコボコなので、日本とそう変わらないはず。A代表につなぐために(目標が「北京」なんて寂しいこと言わないで)がんばれー。