「鳥栖 vs 草津*1」の大誤審と事後処理

実際の試合は見ておらず後から知ったこの問題。映像も見たが、ヒドイ判定だ。というより、審判に余裕が無い。技能はもちろん必要だが、大観衆の前で上がらないとか、カンタンに威張り散らさないとか、そういった内面の資質までを含めて審判に登用した方がいいのではないかと、心配してしまう。
試合を「壊す」(あえてこう言う)人は、決まって、威張るか興奮するかのどちらか。共通するのは自制がきいていないということ。自分が律せない人が、他人を、しかも22人もの人を律することはおろか、2人の副審と4thオフィシャルらと連携をとりながら試合を進めるなんて、どだい無理な話のように思うんだが、なり手が少ないとか、苦しい台所事情でもあるんだろうか。
とにかく、審判側が身内に甘すぎる。選手と審判、どっちかが無くてもいいものでもなく、どちらも無くてはならない。ゆえに、どっちが偉くてどっちが下、という考えもナンセンス。試合中も、試合外でも。
鳥栖のサイトで「公式記録には残すが警告を適用する選手は修正する」「松本監督とシュナイダーの態度に厳重注意」「当該の主審には審判委員会で指導する」(要旨ね。あくまで)という発表を見たが、鳥栖の態度に対する審判委員会のアンバランスさが納得できない。鳥栖の対応は立派だ(普通…かもしれないけど)。「この件を糧に今後より一層活動に取り組んでいく」。恐らくは、悔しくて頭に来ていることと思うが、少なくとも外からは立派に見える。「言われたことは真摯に受け止めていくよ」という態度は、どんなに荒れた後でも、ベタな表現だが潔いし、清々しく映るものだ。
それに引き換え、審判委員会のなんとお粗末なこと。誤判定であったことを認め、警告の累積を変更したという対応は良しとしよう。松本監督とシュナイダーの件も、彼らにしたら「侮蔑行為」だったのかもしれないから、その厳重注意もよしとしよう。その上で、張本人への処罰(処分・対応と言い換えても良い)については、この時点で何もなし?なんで?一体何様のツモリなんだろう、この審判委員会というやつは。
どうもこの審判委員会の、今年のトラブルに対する動きを見ていると、チームと選手を馬鹿にして要るような印象がある。それは、謝罪が無いことと張本人をかばいすぎることが原因だと思う。チームと選手、審判がお互いに切磋琢磨してレベルアップしていこう、という姿勢で悪いことはないと思うのだけど、「謝る」という行動が無いのは、「詫びたら馬鹿にされる」という意識の裏返しではないかと邪推してしまう。日本なんて世界的に見ても、さしてレベルが高いわけじゃない。選手もチームも審判も。だから、向上するために、もっと腹を割って話してもいいんじゃないのかな…。
一般社会に当てはめた場合、2つ以上の組織の間で何かトラブルがあった。原因がどこにあれ、その張本人を抱える組織(1つの組織だけとは限らない)は、相当なことが無い限り、平和的解決に向けて速やかに動くことが多いと思う。少なくとも、このような「片手落ち」なことはない。審判委員会自ら「誤審だった」といえるなら、その主審を任命した彼らにも責任があるはずだ。この時点での報告を見る限りでは、審判委員会は「直接の関係ありませんので」という涼しい顔をしているように感じる。
1つ提案としてあるのは、こういった件は該当者がハッキリしているのだから、全員を集めて事情聴取をした上で、あれこれ決めるべきなんじゃないのかな。ルール上で定められていることはそれにしても、主審への指導内容については恐らくはっきり出てこないだろうし、チーム側でも質問状などを送ってテキトーに処置されることを考えたら、実際に顔を合わせて話をしたほうがいいような気がする。
ともあれ、何か、こう、審判委員会のエラソウな感じは一向に拭えない。それどころか不信感だけが募る。これでは悪循環でどんどん泥沼化していくような気がする。審判委員会は、一度、態度を改めた方がいいように思える。少なくとも、外から見てる人に「エラソウだ」と見えないような対応をするために一考するだけでも違うだろうに。なんだか、態度の悪い、古い体質のお役所みたいだ。