G大阪 vs 浦和(CS)

どちらにとっても負けたくない一戦。G大阪はタイトルを逃したとはいえ、ナビスコ杯を終えたことでリーグ戦に集中し、首位を転げ落ちるようなことは避けたい。一方の浦和は、残りに上位対決がない日程を考えると、差を詰めるためには、ここが最大のチャンス。
だったのだが…結果は、G大阪の攻撃陣がふんばり、2-0の勝利。とはいえ、浦和がノーチャンスだったかというとそうでもなく、「決定機を外したから負けた」という感じ。田中達也を怪我で欠くとはいえ、補強したマリッチやポンテなどを考えれば攻撃陣は言い訳の効かないメンツで望んでいる。なんというか…こういう「ここ一番」の勝負弱さは、オジェック時代に鹿島との天王山で敗れたことを思い出す。カップ戦とはいえタイトルを取ったことのあるチーム(ステージ優勝など優勝でも何でもない、と思っているので除外)とはいえ、この勝負弱さはなんなんだろう。選手もフロントも優勝当時とさして変わっていないのに。この辺の甘さというか緩さが無くならないうちは、「タイトル争い→惜しかったね→来年、来年!」のサイクルは永遠に消えない。
リーグでも上位にある選手層の厚さを誇るチームにしては、なんともお粗末な仕舞いを迎えそうでやるせなくなる。残り5試合、全て勝ったとしてもずいぶんと分の悪い状態におっこちたもんだ。ここまでくると、誰が悪いとかどこが原因という細かな部分より、試合ごとに波がある不安定さと、つまらない累積で簡単に出場停止になるレギュラー陣に問題があるような気がする。つまりは、何か1つの方向性をしつづける忍耐力と、変なジャッジでもへそを曲げず、汚いプレーに文句を言わず、勝ちを目指してもくもくとプレーし続ける紳士的な精神の醸成が急務なんじゃないかとすら思う。
こういうのって、やっぱり監督の手腕によるところが大きい。つまり、ギドが何か迷ってるか、あるいは会話が足りないんじゃないか、と想定してもあながち的はずれではないと思う。

一方のG大阪は、千葉に負けたことを引きずらず、気持ちを上手く切り替えたのが、西野さんの手腕なのか、選手達の気の持ちようなのかわからないが、どちらにせよ、いよいよの戴冠に向けて「らしい」チームになってきていると思う。お互いにお荷物と言われたチーム同士が天王山など、たった10年程度でずいぶんと変わるもんだとは思うが、じりじりと上がってきているG大阪に対し、ステージ優勝以来、浦和の今シーズンの下りっぷりを見るに付け、なんとも先が思いやられる。