vsトリニダード・トバゴ(地上波)

まー、調整不足みたいな相手なら、このくらいは出来るんじゃないんでしょうか。と見えた試合。オシムさんはどう話すか分からんけど。
トリニダード・トバゴは、南米っぽい個人技の高さと、欧州っぽい組織的な動き、しなやかな身体を兼ね備えたバランスの良いチーム。ちゃんと調整してベストメンバーでこられたら、まだ勝てないんじゃないかな…というくらいのポテンシャルはあると思う。伊達に本大会に出ていない。
さて、一方の日本。攻撃では、ワンタッチプレーと3人目の動きが目立つような良いムービングを繰り返して前に進むシーンが多かったのが印象的。あー、こういう流れるような試合は良いねぇ。守備面ではボールホルダーに対して2人で当たることを徹底している模様。ほとんどの場面でトリニダード・トバゴの連携を分断することに成功していた。この守備の仕方は、W杯でフランスがブラジルを押さえ込んだのと同じやり方。(もちろんレベルは違うけど)個人技のある、連携の良い相手だからこそ効く方法だ。
さて、個々の感想へ。しかし、久々に新しい名前ばかりで新鮮だ。

川口能活:GK
数度危ないシーンにさらされるも、仕事らしい仕事はなし。とはいえ、はっきりと大きくパンチングするなど、コンディションを見極めた的確なプレーは味方に安心感を与える。
駒野友一:DF
今日のように、たくさんサポートがあると生きてくるんだなぁ、この人は。ドイツでは孤立してばかりだったから(駒野だけじゃないけど)、持ち味は出ない。今度広島に来たペトロヴィッチさんは、オシムの弟子的な人らしいので、これからの注目株かもしれない。アシストもあったし、良い切り替えになっただろうから、ここから再出発してアフリカを目指して欲しい。
田中隼磨:DF
初選出、初出場の割には、落ち着いて献身的にプレーしていたのではないだろうか。いつもより1列下がった位置からだったこともあるが、普段のイメージより攻撃参加は少なめ。それでも存在感は示す。
田中マルクス闘莉王:DF
浦和で見るような、果敢な攻めは無し。どちらかと言うとディフェンスラインを大事にしていた感じ。このところ上手くなったフィードも安定し、危ない場面では力の限りクリアするなど、期待されたプレーはだいたい行われたと言って良いかも。
坪井慶介:DF
このチームでは代表歴上のベテランと行って良い。負傷で退場するまで危なげなくディフェンスラインを締める。
鈴木啓太:MF
浦和を普段見ているせいか、どうしても「闘莉王のための汗かき役?」と思ってしまったが、そうでもなかった。底に構えて舵取りとカバーリングを行い、守備範囲の広さはアピールできたかな。
長谷部誠:MF
ちょっと山瀬とかぶるかなぁ?なんとなく、いつものイメージより存在感が無い感じ。
三都主アレサンドロ:MF
2得点の大活躍。不気味なほどの絶好調ぶり。1点目は直接FK、2点目は長い距離を走ってスルーパスを受けてのループシュート。いったい、どうしちゃったの?(失礼ながら)というくらい、スーパーだった。やっぱりこの人に守備の役割を乗せすぎるのは良くないんだよ。うん。
山瀬功治:MF
攻撃の核としてはよく機能していたと思う。特に2トップやアウトサイドとの連携も良い。考えてみたら元々浦和なんだから、前に田中達也、後ろに啓太、長谷部、三都主なんだから、やりやすいに決まってる。まさかとは思うがこの辺、分かってたのかな、オシムさんは。ちょっとたくましくなったかね。
田中達也:FW
点こそ無かったが、らしいプレーは披露。果敢に突っかける、飛び込んでいく、ラインの裏を取る、ギャップに突っ込んでいく。一言であらわすとアグレッシブさを全面に、というところ。
我那覇和樹:FW
こちらも点こそなかったものの、スピードを生かしたプレーは随所に出ていた。まじまじと見たこと無かったけど、足元が上手いんだな。あとは制空権を握れると良いんだけどね…。ちょっと上背が足らんかな。
中村直志:MF
長谷部と交代で出場。この人を「発見」してから長かったなぁ。ようやく呼んでくれる監督になって良かった。攻撃ならマルチロールなので、重宝するはず。飛び込んでよし、持ち込んでよし、遠目から狙うもよし。この試合では、遠い位置から狙うシーンの方が印象的。スーパーサブでも良いんで、ぜひ代表に定着して欲しい1人。
栗原勇蔵:DF
坪井が壊れたので交代出場。偶然にせよ、出場機会があったのはなにより良かったと思う。が、まだちょっともの足りないかも…という気はする。ポジションを競るライバルは強力だが、競争を激化し、代表を活性化するためにも、自分のためにも、ぜひがんばって欲しい。こういう新しい選手がどれだけがんばれるかによって、その国の代表のレベルが決まる気がするから。
小林大悟:MF
大宮史上初の代表選手。普段Jリーグで見せるようなプレーをそのまま代表でも披露。山瀬と交代で出たのは大正解だったかもしれない。というのも、プレーエリアもスタイルも似通っているので、同時に出るとやることがかぶってしまうかもしれない。この辺を解消するには、少し時間が要るだろう。(もし同時に出るのなら)
佐藤寿人:FW
いつも通り。おしまい。というのはちょっと端折りすぎだが、期待されているようなアグレッシブさを出し、抜け目なくミドルのこぼれに詰めるなど、FWらしいプレーを随所に見せる。この人も駒野同様、ペトロヴィッチ体制によってオシムさんの期待に添う1人になるかもしれない。
坂田大輔:FW
三都主と交代で出場。ちょっと時間が短かったので、特筆すべきことはなし。もう少し長いと良かったんだがな。

後半終了間際に足が止まりかけたが、ここさえ走りきることができれば、これからは自分らのペースを保ちながらゲームができるチームになれそうだ。やっぱり走り回ってがんばるチームを見るのは楽しいなぁ。トルシエの頃のワクワクさが戻ってきた気がする。