システムが情報としてもたらすもの

中継の始めなどにスターティングイレブンとシステムが紹介される。この情報が意味するのはなんだろうか。なんのために紹介されるのだろうか。
選手の特徴をよく知っているなら、スターティングイレブンを見ることでシステムなど大体見当がつく。実際に試合が始まって 5 分も経てば、それは確信に変わる。
逆のパターン。システムだけを紹介された場合はどうか。うっすらではあるが、特徴をよく知らない選手の役割(あるいは持ち味や特徴)が見えてくることがある。システムとは、監督が選手達に期待する役割、すなわち「そのチームでこの試合に臨む際に期待されている働き」のベースが紹介されているものだからだ。
では、スターティングイレブンとシステムを紹介する側の意図は何だろうか。また、それらの情報を受け取った側には何が起こるか。選手の特徴とチームがその試合で選手個々に期待することの照らし合わせが行える。すなわち「そのチームがこの試合でどう戦うつもりなのか?」を俯瞰することができる。システムというのは、内外問わず、非常に多くの情報を内包した情報集積体、サッカーにおける最上級の便利語と言えよう。