日本vsブラジルの続き(CS)

やっぱり最初の9分を見落としたことと、あまりに見入ってしまったので、見直してみた。
立ち上がりから日本は良かったが、やっぱりブラジルはゆったりと構えていた。加地のプレーは、審判によってどっちとでも判定が出る類の微妙さだった。これが決まっていたら…という話がちまたで聞けたが、これが決まったとしても、2-2が3-3になっただけだったんじゃないかという気がしてならない。その後のブラジルのボールの持ち方を見ていれば。先制シーンはディフェンスの軽さというよりも、ロナウジーニョに対して1枚しか見ていなかったという軽率さが問題だったと思う。日本人が1人で止められるくらいなら、今年のバルサはもっと苦戦していたはずだ。少なくとも、アドリアーノ、カカ、ロナウジーニョは2人でいかなくては無理だ。ロナウジーニョのドリブルを遅らせた田中誠にしても、突っ込んだら交わされる、待ってたらどんどん進んでくる、下手に切ったディフェンスをしてもパスを通されるで、八方ふさがりだった。彼を助けるためには、前線の選手が、遅らせている間(とはいっても結果的にはロビーニョがクロスオーバーで外へ出たから、たいした時間稼ぎにならなかったけど)ずっと引いてこなくてはいけなかった。日本の同点ゴールまでは、互角のボールポゼッション。ところが、そこからギアアップしたブラジルは、手こずりながらも2点目を取るわけだけど、これ以降、日本はボールを奪い返すどころか、手も足も出なくなってしまった。この辺りが改善されないと、世界と戦えているとは言えないかもしれない。
後半になって、日本が盛り返せたのは何か、と見ていると、単純にアドリアーノとカカが下がったからに他ならない。2人とも前線の選手の割に守備意識は高い。実際に、日本がカウンターを仕掛けたい1歩目でファウルしてつぶすシーンが多かった。これがかなり効いていたと言わざるを得ない。日本が良かったのは、このブラジルが「手をゆるめた」ところをきちっと突いて、あわや逆転というところまで迫ったところ。今の日本は、強国とはいえ、1軍半以下ならかなり良い勝負ができるレベルにあると言えるかもしれない。
入りはしなかったが、他にも惜しいシーンはあった。小笠原のFKからクロスバーを叩いた形、柳沢が大黒からのスルーパスでGKと1vs1になった形、大黒が角度のないところから打ってしのがれた形。これが全部入れば…などとは言わないが、ひやひやさせたのは間違いない。とはいっても、ブラジルにもいくつか惜しいシーンはあった。カカのシュートがポストを叩いたり、川口が顔面セーブでしのぎ、宮本がその跳ね返りをクリアしたり。やっぱり、ポゼッションで大きく上回っていたことでも分かるとおり、点差こそ惜しかったが、差はまだまだある。
タラレバは意味がないが、両翼がカフーロベルト・カルロスで、GKがジダ、前線がアドリアーノロナウドだったらどうだったろうか。1歩か2歩くらいはおいついたかもしれないが、W杯本大会で当たってこの勝負ができるとは、どうしても想像できない。まだまだやることはあると思うけど、そろそろ新戦力を試す段階なんじゃいんですかねぇ。ジーコ殿。東アジア選手権っての、ありましたよね?確か。