vs 韓国

フレッシュな布陣で臨み、2-2のドローと地力を見せた日本代表。負傷離脱の田中達也はさておき、同じチームで韓国と対戦。ここまで来たら新しい戦力に経験積ませてやってくれー、と思っていたら、その通りになってよかった。
中国戦と似たような感じで、内容は抜群に良いというより、個々の持ち味はしっかり出ていたという感じ。連携という点ではそれぞれが常識のレベルでの意思疎通で、長年一緒にやっていた…というようなプレーはあまり感じず。とはいえ、よく考えてみたら、土肥−茂庭−今野はFC東京だし、茶野−村井−阿部−巻は元も含め千葉だし、阿部−今野−駒野(−田中達)はU-23で一緒だから、ぜーんぜん知らないってことでもないわけで。もう少し良い連携ってなかったもんかなぁ。
それでは、個々の感想へ。(前半の途中、少し見ていないところがあるんだが…)

土肥洋一:GK
いやな距離からのミドルシュートやFKを全てしのぎ、代表戦での経験のなさが選手としての経験で十分カバーできることを証明してみせた。こぼして詰められたシーンがあったが、それ以外はいたって安定。このレベルが「いつも」であれば、代表としては頼もしい限り。
坪井慶介:DF
負傷退場するまでは、肉離れで離脱する以前のパフォーマンスに戻りつつあってよかったのだが…。カバーリングやスピードを生かした「らしさ」が随所に出ていたのだけど…。重傷でなければいいのだが。それだけが心配。
茶野隆行:DF
ちょっと揺さぶられすぎかな…。1vs1になったときの守備が少々不安。もっと堅い守備だったような記憶があるんだが…。脳内で加工してしまったかな…。欧州や南米のアタッカー相手だったらどうだろうか。
茂庭照幸:DF
前節のような攻撃のチャンスはあまりなかったが、しっかりとした守備で貢献した。人に強いところは周知だが、ディフェンスラインを整えるのも問題なし。中澤が出てきてから、その守備ブロックはより強固に、前がかりになって良い感じ。
今野泰幸:MF
期待以上。特に守備に入った第一段階のチェックの的確さは、時間を追うごとにすごみを増し、存在感・影響力ともに抜群。人に強いところだけではなく、つなぎの良さや少人数のグループでの守り方など、ボランチのポジション争いに手を挙げても申し分ないと思う。
阿部勇樹:MF
FKは相変わらず高い可能性を感じる。この試合では、守備面での貢献度が高く、今野とともに何度もターンオーバーのきっかけとなる。もう少し視野の広さを生かせたらよかったか。特に巻の良さをまず引き出せるとすれば、この人だろう。長めのパスが増えることを期待。
駒野友一:MF
このレベルなら、攻守両面で1vs1は自信を持っている感じ。加地より強気に前に行くのと、ダイレクトでセンタリングを狙えること、パフォーマンスが安定しているのが良い。小さくまとまらないで欲しい。小野さん、よろしくね。
村井慎二:MF
自分のやれることを出し、色気も見せる(シュートを狙うような)積極性は◎。もう少し、回りを使いながら前へ出て行く回数が増えると、そのドリブルがもっと生きると思うんだが。まだその辺の感覚がつかめていないかもしれない。今後に期待。この出来なら三都主はマジで要らない。
本山雅志:MF
湯浅氏流の言い方を借りれば、このチームでの中盤の蓋。「何かしなくちゃ」「アピールしないと」というような感じを受け、選択は悪いし、プレーの切れもイマイチ。交代寸前に強烈なミドルシュートを放つが、これ以外はあんまり…。某自動車のCMではないが、小さくまとまってしまった感じ。ついぞスケールの大きさを感じない選手になってしまった気がする。
巻誠一郎:FW
がんばっていはいた。が、フィジカルコンタクトの厳しさの前に、ことごとくつぶれ、変なジャッジでチャンスをつぶされ、アシストも幻となった。決勝点を呼び込んだという見方もできると思うけど、決めて欲しいなぁ。自分のリズムでやれないことにリズムを崩さないで、代表定着を狙って欲しい。1点取れば変わると思うから…。
玉田圭司:FW
駄目駄目。代表の玉田と言えば、アジア杯のキレと思い切りの良さ、精度の高いプレーが頭にあるため、あのレベルにかすらない玉田は全部駄目だ。どうしても、あの鮮烈さが抜けないので、厳しめになってしまう。スピードで勝負できるFWなのだから、もっと裏を突いてがんばってくれ。あれがフロックだったと言われないように…。
中澤佑二:DF
坪井の負傷を受けて出場。北朝鮮戦の大ミスを帳消しにする得点で勝利に貢献。出場したあとから日本のリズムが完全に変わった気がする。つまり、最終ラインに対する信頼感からか、前線でのチェックのスピードが上がった気がする。体調さえ万全なら、やはり、絶対の存在か。
大黒将志:FW
玉田と交代で出場。結果を出すこと、存在感を見せることはできなかったが、まずまず。ミスらしいミスをあまりしないので(したとしても積極性からのミスなので不快感が残らない)という得な人。そのため、いつものような印象はない。1つ綺麗なダイレクトのセンタリングを右からあげたが、巻はああいうのを利用しなくてはね…。
小笠原満男:MF
本山よりは視野が広くてフィジカルコンタクトが強い分マシだったが…。自分で取り返すという積極性は強く出てこなかった。決勝点をCKからアシストしたことは間違いなく大きな貢献ではあるんだけど…このままだとスコットランドにいるあの人と同じ路線を歩むことに…。時間の稼ぎ方などは、勝つことになれた鹿島の選手という感じがしたことは記しておこうと思う。勝者の経験値というか。

気がついてみたら、準優勝だったようで。ホスト国の韓国が最下位という妙な結果に。「主力抜き」の状態になると、日本の選手層の厚さがクローズアップされる。贅沢な悩みかもしれないが、どちらかというと、予選突破を決めてしまった今となっては、トップグループの力が上がることが大事なんだが…。たのんます、ジーコさん。マジで。