vs インド(BS録画)

アジア杯の予選リーグ。日テレも悪くはないけど、ヘンな連呼と絶叫とつまらない解説はいらないので、NHKのBSを録画しておいた。個人的戦前予想では「大勝か1-0」だと思っていた。根拠は特にないが、相手との力関係を考えると、大勝になるのは相手がキレたとき。1-0になるのは相手がキレなかったとき、と単純に考えられる。なにせ、ガチガチの守備を解きほぐす攻撃方法を、我らが日本代表は知らないのだから、てこずるに決まってる。で、実際には、前半1-0、後半5-0だったので、むちゃくちゃ飛躍すれば、両方当たったとも言えるかも。(なんちゃって)
前半1点止まりだったのは、久保のせい。ビッグチャンスが多かったというのになぁ。逆に、後半得点ラッシュになったのは、大方の予想通り(?)インドの運動量と集中力が落ちたため。隙をつけるようになっているのは良いことだが、こういう内容は強豪とでも見せて欲しいものだと思う。さて、選手個人の感想へ…。

川口能活:GK
インドが引きっきりだったため、3 本のシュートと数えるほどのバックパス、こぼれ球を拾っただけ。インタビューによれば「どんな試合でもモチベーションは変わらない」とのこと。

加地亮:MF・DF
さすがにこのレベルまで来るとドンと来い状態。フィンランド戦の攻撃への意識の高さはそのまま。前半は長谷部が前のスペースを使っていたので、思ったより前に出ず。後半になって少し動きが軽くなると、裏を取るわ、切れ込むわ、軽いタッチでアシストをするわ、切り返して丁寧なクロスを送るわで、やりたい放題。これを世界でやってください。お願いします。

宮本恒靖:DF
至ってフツー。いつもの宮本。悪くもなく、良くもなく。後半で茂庭と交代して退くまで、ミスらしいミスがなかったように、大活躍して目立ったこともなし。

中澤佑二:DF
おかしい。なんとなく雑。後半にゴールラッシュになってからは、散発のカウンターをしっかり抑えていたが、立ち上がりからの流れは、明らかに本調子ではなかったように思う。なめてるという感じでもないが、プレーが軽い感じがした。1つだけ収穫めいたものがあるとすれば、前の2試合に比べ、縦パスを入れる回数が増えたことか。レベルが落ちているのだから当たり前だが、これでも狙えないとなると相当ヤバイと思うので、確認できただけ良かったかと。

三都主アレサンドロ:DF
悩みは加地と同じ。このレベルだから出来るのではなく、それをいつもやってくれ、という動きだった。とはいえ、やっぱり、スムースな流れを断ち切る感じは否めない。なんとかならんものかなぁ…。良かったのは、強烈なミドルを数度お見舞いしていたこと。ひいた相手にはかなり有効なので。

福西崇史:MF
この試合に限って言えば、小野、長谷部、小笠原を前へ出すことを意識しているように見えた。コーナーキックからのヘディングで1点をマークしたのだが、警告をもらったことでチャラ。こういうつまらないところで黄色いのをもらっちゃうのは問題だ。

小野伸二:MF
この試合では、ガチガチの前半、棚ぼたの得点シーン、大車輪の後半、というパートに分かれる。基本的にはボランチでの出場のようだったが、相手が引ききっていて中盤の攻防にならないことと、5枚のときよりもスペースがあることで、前の試合より積極的にポジションを上げて攻撃に絡んでいった。そう。この試合の前半終了前〜後半で見せた「密集地へのツッコミとダイレクトプレー」が見たかったのだ。これを強豪相手に、フルタイムやってください。お願いします。とはいえ、前半の得点までは「こんなに下手だったっけ…?」とすごく心配したほど。

小笠原満男:MF
調子は良いのだけど、前半から諸手を挙げて、というわけではないし、後半に訪れたビッグチャンスをついぞ生かせず。ボールコントロールが良い、というより、「ボールが足に付いている」という感じ。さすがに、さらにプレッシャーが落ちたため、この試合のパスは長短織り交ぜ、かつ、グラウンダーあり、浮き球あり。何より、落ち着き払った様子が良い。充実しているように見える。三都主と同じく、ミドルシュートを積極的に放つ。長谷部とはなかなか意図が合う感じに見えたけど、やりやすかったのかな。

長谷部誠:MF
初先発、初フル出場、初ゴール…とはならず。惜しい。加地→小野とつながったボールを後ろから上がって流し込むも、巻のお腹をかすったため、公式記録は巻のゴール。動きの重い日本にあって、前半から積極的に右へ左へポジションを変え、三都主や加地がほとんどやらないような糸を引くようなサイドチェンジまで見せ、気を吐く。後半はさすがに終わりに近づくにつれてやや消えかけたが、それでもきちっと前へ後ろへとポジションを変え、前へ飛び出し、ボールに触れ、持ち味を出していたと思う。加地の前をふさいじゃわないような右サイドへの流れ方と、加地が上がるタイミングをつかむのは、もう少しかかりそう。

久保竜彦:FW
なんでも、2年振りのフルタイム出場だそうで。前半日本がガチガチだったのを吹き飛ばす機会は幾度もあったのに、3回ほどあった決定機をことごとく外す。至近距離からポストに当てちゃったりで、トルシエ時代のツキの無さが戻って来ちゃったか?と、心配になった。後半になってもあまり変わらなかったので「駄目かー」と思ったら、結果的には2点をマーク。結果は残してるけど、本調子にはまだまだ。先は長そうだ。

巻誠一郎:FW
長谷部のシュートがお腹に当たり、公式記録で代表での2点目をマーク。相変わらず泥臭いというか、貢献度の高いプレーでアピール。他の人は、巻くらい簡単に落としたりできないもんかね?「受けて→考えて→落とす(戻す)」という、頭悪そうなリズムの人が多い中、ワンタッチで置いていって、スッと距離を開けるプレーは、実に新鮮。来るか来ないか分からないクロスに必ず身体ごと飛び込んだり、何しろ、一所懸命さが伝わるという意味で「静かなゴン」と言ってもいいと思う。(個人的にはね)

茂庭照幸:DF
宮本と交代で左に入る。久しぶりに代表のユニフォームを着た茂庭を見た気がする。が、全く気のせいなどではなく実際に久々である。プレーでもその「久しぶり感」が端々に見えたが、露骨に無様なところを見せるはずもなく、無難にこなした。時間が短かったのと、相手の攻撃がほとんど無かったため、評価ができるほどの内容はなし。

佐藤寿人:FW
予想より1試合遅かったが、代表初ゴール&初アシスト。パスコースを作りながら裏を取ったり、小柄な身体をめいっぱい使ってスクリーンしながら受けたり(ゴールシーンはまさにこれ)、ワイドに動いてセンタリングを上げたりと、短い時間ながらも走り回り、オールラウンダーであることを証明。

遠藤保仁:MF
さすがに、それまでのMF陣の動きが良かったので、短い時間でアピールになるような要素はなく。指摘するような事柄も無し。

というわけで、きっちりと大差で勝ったわけですが。これで欧州組が入ってくると、調子が良くても「ジーコの脳内基準」によって、置いて行かれちゃう人がいるんだろうなぁ。何にせよ、予選の試合に大勝できたのは良いことだ。ボスニアヘルツェゴビナ戦は、どういうメンツを試すのかなぁ?