vsボスニア・ヘルツェゴビナ(録画)

前半17分から見始め、35分から見てなくて、後半から通して見る。後で録画を見て補完。戦前の予想が立つほどボスニア・ヘルツェゴビナを知らないので、何も考えずに見た。1人だけ知ってるのがいるなぁ…と思ったら、高原の同僚のバルバレスではないですか。後で述べるが、この人を見ていたら高原は絶対的なレギュラーを取るには遠いなぁ…と思ってしまった。
全体の流れとしては、前半は日本がボールを持っていたものの、パスが雑で取られるところが悪い。ボスニア・ヘルツェゴビナのターンオーバーと速攻の鋭さが何度も決定機を演出するも、フィニッシュ精度のまずさで助かっていた感じ。後半はボスニア・ヘルツェゴビナの出足が良く、ガンガンとペースを握られ、同点→先行と、アッサリ逆転を許す。ここまで、相変わらずのフィニッシュ精度なので2点でとどまっていたが、下手したら4点は固かったかもしれない。早く攻め込むことが出来たときはなかなか良い形になるほか、セットプレー時の守備があんまり上手くなかったので、同点に出来たというのはあったかもしれない。まぁ、役に立つ試合だったと言えるが、ジーコってのは…ホントに何を考えてるのか分からない…。それはスタメンに対してなんだけども。
ということで、個々の感想へ。

川口能活:GK
可もなく不可もなく。川口の期待値は発揮されていたと思う。ただ、相手のシュート精度が低かったので2失点ですんでいたが、嗅覚の鋭い(もしくは好調な)FWがいたら、果たして2失点で済んだかどうか。ボスニア・ヘルツェゴビナの攻撃は、川口一人で守れる限界を超えていた。

加地亮:DF
日本の加地さん。浦和やインドではキビキビして強気なくせに、このレベルになるとバックパス連発ですか…。一個人のブログだからここでギャアギャア言っても無駄なんだが、出来るんだからやってくれ。一度もやれないことをやれと言ってるわけではないのだから…。

宮本恒靖:DF
このレベルに来ると、どうしても対人プレーの至らなさ(特に瞬間的なカバーリング)が明らかになる。間に合わない場合に無理矢理滑ればそりゃ黄色いのもらいますって。もう少し身体の当て方とか、稲本あたりから教えてもらった方が良いのではないだろうか。良い悪いではなく、残念ながら「足りてない」のが気になる。あとはいかに組織力を磨けるか、かなぁ…。

中澤佑二:DF
素早いパス回しに振り回されたり、逆転のきっかけとなるPKを献上してしまうなど、諸手を挙げて「良い」とは言えない。とはいえ、今年の過去2戦に比べれば相当マシ。対人プレーもそこそこだったし、競り合いでも完敗というほどではなかった。バルバレスの巧さは覚えておいて欲しいと思う。「制空力」は高さだけではないことがよく分かったはずだから。

三都主アレサンドロ:DF
なぜかセットプレーや自分がセンタリングに備えている場面ではがんばっていたのだけど…。このレベルだと少なくとも動きの中での守備は辛い。無理。ザルというより枠。引っかかるところ無し。効果のあるのは、中盤でのつなぎに参加したときに混ぜるドリブルくらい。センタリングの狙っているところは良いんだが、精度は低いしなぁ…。自分の裏を使われすぎたため、後半になってからは満足に上がることができなかった。今日の試合、まともに勝とうと思ったのなら、三都主が真っ先に変えられるべきだったと思うのだがなぁ…。

福西崇史:MF
良い飛び出しで決定的なチャンスをつかむような、「らしい」広い動きが復活している片鱗は見える(遠いなぁ…)ものの、守備面では自分の前のスペースが使われすぎていたような気がする。今日の日本代表は、この福西の前のエリアと三都主の裏が徹底的に使われていた。これをつぶせていれば、もう少し楽だったと思う。

中田英寿:MF
調子は悪くなさそう。前半、低い位置にいるのにプレッシャーが飛んでくるという状況でやりにくそうだった反面、小野が入って前目に入った時間帯から息を吹き返す。相変わらずチャレンジングなプレーが多いのでミスも多いのだが、この試合に限っては安易なパスミスが数本あった他は、うっかり系(死角からさらわれるのを含む)のミスはほとんど無し。終了間際の同点はこのところの頑張りに対する報償か。ゴールシーンだけでなく、全般にわたって特にポジショニングが良かった気がする。(というのが得点を生んだ理由なのだが)

小笠原満男:MF
でかい選手達の当たりのハードさとリーチの長さでリズムがつかめなかったか。ここまでの2戦で見せた「中心に座る」ような存在感は時間とともに減退。前半はそこそこだったのだが、後半は完全に消えた。消えた、が言い過ぎであれば、存在感が無くなり、効果的なプレーで絡めなくなった。交代も致し方なし。

中村俊輔:MF
運動量が目立つような動きではないが、要所要所で顔を出し、ボールに触って攻撃に参加していた。動きは良い。守備面でも引きすぎることなく、右だの左だの真ん中だのと関係なく動いて、長いパスを送り続けた。中田の得点のお膳立てもした。特筆すべきことは、このくらい大柄な選手からのチェックにずいぶん慣れたなぁ、ということ。前は少し当たりが強いとコロコロと地面に転がっていたのに、バランス良くこらえたり、いなしたり、このレベルでも、ようやく信頼してボールを預けて良いレベルになったような気がする。

久保竜彦:FW
徐々に良くなってる感じはするし、淡々とらしいプレーをするも、結果を残せず。なんで使うかな?というほど悪くはない。にしても完全復活までまだまだかかりそうだ。

高原直泰:FW
結果を出したことが一番か。たまたまバルバレスが相手にいるので比較しながら見ていたが、バルバレスとの大きな違いは、ポストになれるのにパスが巧くないことと、パスを受けてからの選択が遅いし、良くないこと。得点はヘッディングだったが、もっと制空力が欲しいかなぁ。このままだとクラブでレギュラーを取るのは難しいのでは…という要らん心配をしてしまった。

稲本潤一:MF
調子持続。絶好調とは言わないが、間違いなく良かった。セットプレーからこぼれた際の相手のカウンターを左サイドに潰しに行ったシーンは、プレミアのプレーそのまま。早くて強いプレミアの水に慣れたことが、一人だけ次元の違うプレッシングができる頼もしさになったと思う。数度ボックスに迫ったシーンがあったが、もっと攻撃に絡めると良いなぁ。これを本大会まで持って行ってくだされ。

小野伸二:MF
なんとなくなんだが。接戦で中田と一緒の試合で良かったためしがない気がする。これまでの試合に比べると攻守に渡って貢献度が著しく低い気がした。ボール扱いは相変わらずだし、ずいぶん身体を張るようにはなったけど。

柳沢淳:FW
柳沢向きではない、オフサイドに厳しい副審のサイドだったのが不幸だった。調子はそこそこ良いようで、ボールを引き出す動きは健在。おかげで前に入るパスが多くなり、同点弾を引き出すベースとなった。残念ながら結果は残せなかったが、鹿島で上げていけると思う。

大黒将志:FW
らしさを見せるような場面はなし。決して長い時間ではなかったので、あまり言及することもなく。

ようやく「仮想」と言って差し支えない内容の相手と試合が出来たと思う。さすがに旧ユーゴスラビアから分かれた国だけあって、強くて、早くて、巧い。タラレバに意味はないが、海外のクラブでエース格としてやれている選手がFWにもう1人いたら、結果はもっと悲惨なことになっていたかもしれない。…つまり、クロアチアならこんなもんで済んだだろうか?と心配になる。何にせよ、同点にもちこんだのは良かったのは間違いない。
ただ、そろそろ選手の使いどころやベンチワークの研究も必要なのではないだろうか。選手の組み合わせなんて、見なくてもわかるでしょうに。松井とか使ってくれよ。スタメンでさ。三都主なんて分かってるでしょ。何するかなんて。加地とか。3バックにして1枚MF増やすだけで欧州組7枚出せたんだよ?ホントに数少ない試合を、どうしてこう、無駄にしたように見えることをするのか理解に苦しむ。まぁ、ジーコジーコなりに何かを考えているんだろうけど。