オランダvsアルゼンチン(BS)

お互い予選突破をすでに決め、興味はトーナメントのどこに入るか、ということ。引き分けならアルゼンチンが1位でオランダが2位。オランダが勝った場合のみ、オランダが1位通過となる。
スコアレスドローで終わったこの試合、何が良かったって、怪我人や退場者がでなかったことが一番良かった。すごいシュートや華麗な得点シーンを期待したいところだったが、それはトーナメントに取っておこうではないですか。
中身がスカスカだったかというとそうでもない。技術、戦術、スタミナ、走力。すべてにおいてハイレベルなチーム同士が戦うことの楽しさは、点の取り合いとはまた違った良さがある。死闘までいかないまでも、静かに闘志をぶつけ合うような試合。
いやー、今回のアルゼンチンはすごいかもしれん。フルメンバーではないものの、試合運びが巧い。緩急は心得たものだし、落ち着いているし、「ここぞ!」という守備のしめ方など、数え上げればキリがないくらい、試合の中でどっしりと構えている。「すべて掌握している。想定外のことなど全くない!」という無言の圧力すら感じる、というのは言い過ぎか。しかし、それくらい迫力がある。テベスっていたよなぁ、というくらいまだまだ名の知れた選手がいるし、アタッカーの名前を並べただけで攻撃陣は戦力を落とさずに2セットはできそうだ。リケルメテベス、メッシ、マキシ・ロドリゲス…。攻撃の核となっている選手を並べるだけでお腹いっぱいだ。しかも、この他にベンチにはサビオラクレスポアイマールがいるわけで。
一方のオランダも相当良いチームだと思うが、主力とサブの差はいかんともしがたい気がする。一例を挙げると、カイトがロッベンの代わりになるなら、小野がいる頃にリーグ戦で優勝できてるよ、とか。それでもファンバステンの目は大したものだと思う。「この人誰?」という選手でも、しっかりとした技術がある。

というわけで、優勝に絡んでくるには、「選手層」なんだろうなぁ。ようやくJリーグにもその波が来たけどね。スピードが上がっている今日のサッカーでは、長期に及ぶ大会で全選手が身体的に無傷であり、警告がゼロ、などということは考えにくい。つまり、戦力が落ちない選手層の厚さが、最後に効いてくる。オランダはそれを覆して決勝に残り、カップを掲げることができるだろうか。