走りの効率を上げる=走りの質の向上

守備時に決定的なピンチではダッシュが必要となる。その次の段階が決定的にピンチになることが予測できる場合も、ダッシュの必要に迫られる。攻守を入れ替えて考えると、チャンスや、チャンスになりそうな場合には、ダッシュすることが多いことになる。この大きくエネルギーを消耗する動きは、工夫によって無駄な回数と距離を減らすことができる。1つは、ダッシュするところとジョグをするところが無駄にならないように、チームで基本的な考え方を決める。むやみにダッシュしてプレーしても、一か八かでやった場合は無駄になる確率が高い。そこで、あらかじめケースバイケースの積み重ねでチームの方向性を決めておけば、ダッシュ(走り)は無駄にならない可能性が上がる。これが走りの効率化。
もう1つは、ポジショニングの質を上げること。ポジショニングとは、ボールや相手、仲間との兼ね合いを見て自分のいる位置をより的確な場所へ変えていくこと。常に最適なポジショニングができれば、無駄な移動によるエネルギーの浪費を抑えることができる。1つ例をあげれば、守備時に、相手のパスが転がっている間に、次にボールを受けるプレーヤーがプレーしようとするエリアを予測して、あらかじめそこへ間に合うところへ移動しておくようにする。攻撃時の例では、チームで決めた形の攻撃になりかけたとき、自分が期待されている動きをするための予備動作としてあらかじめ適切なポイントへ移動しておけばよい。難しいのは、この意識をチーム全員(ピッチに立っている選手)へ浸透させ、いかなるときでも遂行させるようにトレーニングしておくことだ。