まとめ

システムという考え方の便利さはあるので、それ自体を否定はしない。しかし、試合(結果を含む)を語る上で重要かどうかと聞かれたら、間髪入れずに「そうでもない」と答えると思う。そういう意味では「変遷」を追ってシステムを考えるということはできそうだが、それはすなわち戦術や戦略の歴史に他ならない。ルールの改訂や戦い方の研究が戦術や戦略を変え、そこから「結果論として」システムが生まれてくる。これだけシステム論が発展することを、先人たちは予測しただろうか。繰り返しになるが、最初はごく単純な発想だったに違いない。「全員で無駄に動かないように、役割分担しないか?」おそらくこのくらいの単純な思いつきが、記念すべき、システムの最初の一歩だったのではないだろうか、と思う。ゆえに、どこまで言っても、システムに対する議論の余地はあまりない。