vsクロアチア(BS)

立ち上がりから格上チームが圧倒的に攻め込むのが、今大会のトレンド(?)。その例に漏れず、クロアチアもかなりの勢いで攻めたが、結果的には「守備は強いが、決定力不足」という前評価を覆すことができなかった。なんと、これで2試合連続無得点という始末。確かに98年のタレントからは劣るかもしれないが、かなり名の知れた選手もいるわけで。
一方の日本は、押し込まれつつも、中盤から最終ラインにかけて緩くなるところを狙ったカウンターでクロアチアをイライラさせ続けた。前節から比べたらかなり良い出来だったが、やっぱり点が獲れない。FWは変えちゃったほうが良いんじゃないのかな。
というわけで、個々の感想へ。


川口能活:GK
まだ不安定なところがある。PKをストップしたのは殊勲だが、その直後、バックパスを空振りしたのは勘弁してほしい。下が悪くて弾んだというのは分かる。だが、パスを受けるのに、足だけじゃなく、ボールを迎えにいって身体の正面で受けろって習わなかったのか?突っ立ったままでパスが来たのと逆サイドを気にしていてのミス。後ろがゴールだったらどうするんだ。個人的には、この2つでチャラ。その後は、スーパーモードだったけどな…一応。

加地亮:DF
怪我から復帰しての動きとしては申し分無し。1vs1でもう少し対峙できたらよかったんだけど、攻撃だけは間違いなく通用していたし、最後まで足が止まらなかったのはよかった。クロアチアが左を多用したため、守備面ではあまり見せ場は無かった。

宮本恒靖:DF
1戦目で出なかったポカが出た。PKを謙譲したシーンは、まるっきり置いていかれたわけではないが、不用意にかわされすぎ。おそらくPKの判定が間違えている。宮本の足はほとんどかかっていない。シミュレーションだと思う。が、それはそれ、これはこれ。その後はさほど悪くなかっただけに、ああいうのはきっとブラジル戦に出る。…と思ったが、累積で出場停止。よかったんだか、悪かったんだか。

中澤佑二:DF
調子は良いと思うし、かなり効いていたと思うが、いかんせん忙しすぎ。守備範囲に任せてハイボールを拾いに行くため、結果的につり出されてしまうことが何度かあった。その中でも宮本と挟み込むシーンでは、ほとんどその場でつぶしていたため、中でピンチになることは少なかった。

三都主アレサンドロ:DF
メインの戦場でかなりがんばったと思う。スルナを基点に攻めが始まることが多く。ずいぶん縦に動いたが、攻撃に転じると、ミドルシュートを放ち、ドリブル勝負をして、チャンスの手前くらいの状況を何度か演出できた。今までの中ではかなり良いが、点が獲れる、あるいはアシストできるシーンはあったかな…と。それが残念。

福西崇史:MF
中盤でキラーぶりを発揮していたが、競り合いで打ったわき腹がどうにかなったのか、前半で退く。稲本ががんばったので、この人の不在は感じなかったが…。次節はどうなんだろうか。ちょっと心配。ただのジーコの采配が理由なら良いんだけど。

中田英寿:MF
いきなり強烈なミドルを打つなど、やる気全開。川口がPKをストップしたシーンでは、なんと抱きつきに行き(!)、追いつかない・間に合わない、という場面でも全力疾走で身体を当て、1枚減った中盤で踏ん張った。かなり守備に手を割いたが、クロアチアの中盤が緩むのを見逃さずに攻めにも参加していた。試合後ぶっ倒れてる様子も分かる。今日はものすごい貢献だった。

中村俊輔:MF
相変わらず覇気が感じられないのらくらとした出来で、なんとなく頭に来る。全力で走らない、守備は手抜きするというのは今に始まったことではないが、すぐそばで他の選手がガシガシやってるのを見ててもチャランポラン。かといってFKが冴えてるかと思いきや、枠にも行かず、2度も味方に当てる始末。この男、一体何をしにドイツに行ったんだ?

小笠原満男:MF
初フルタイム出場。最後まで落ちずに攻守にわたって走り回ったが、少しづつ届いていない感じがした。競り合いは思いのほか通用していたが、圧縮されたフィールドでスルっと抜けていくようなプレーが意外と少なく、コンダクターぶりも少々物足りなかった。不調というより、試合の流れを掌握できていなかったのが原因のような感じ。流れにフィットしていないというか。次はブラジル戦だが、次節にはキレが出てくるような気もする。

高原直泰:FW
悪くは無いんだが…。自分がやりたいことと、やるべきことの間に、かなりのギャップがあるように見える。ブンデスリーガでやってるような相手なんだから、もっと目立って良いと思うんだけどなぁ…。

柳沢敦:FW
チャンスに顔を出す辺りさすがだとは思うんだが…4年前以前になってる感じ。決定的なシーンで、GKまで外れてるのに、GKのサイドに打ち損じるなんてのは、一体何がおきてるんだろうか。後半に退くが、まぁ…この出来ではしかたない。

稲本潤一:MF
福西と交代で後半から投入される。いきなりFKを与え「駄目かな?」と思ったが、徐々にリズムを取り戻し、ギリギリの局面での守備と、思い切りの良い突っ込みで攻撃に顔を出し、らしさが出ていた。次がどうなるか分からないが、間違いなく戦力として期待は出来る。

大黒将志:FW
基点になれず、ミスが多く、期待外れ。DFを馬鹿正直に背負うのではなく、動き回って穴を空け、裏へスルっと抜け出すようなことを期待されているし、自分もグルノーブルで要求してたじゃないか。クロアチアDFがべた引きしてなかっただけに(むしろ高かった)、そういうことが出来なかったのはホントに残念。

玉田圭司:FW
持ち味を出そうと、積極的に前へ前へと突っかけて動き回ったが、残念ながら良いシーンも得点につながらず。投入されたタイミングは、持ち味を生かせる時間帯だったと思うので、小さい動きではなく、もっと大きく、大胆に切り返して振り切ることができたら、もう少し変わっていたかもしれない。経験不足…と言って良いことなのかもしれない。


良かったのは、勝ち点1を獲ったことで、可能性がゼロにならなかったこと。とにかくこれが大事だったので、よしとする。…しかない。超消化不良でイラつくのは全く変らないのだけど。それから、ジーコが手を打つタイミングが早くなったことは評価できる。んだが、バランスを気にしてか、FWを増やさない選手交代ってのは、どうなんだ?
次節ブラジル戦は勝つしか無くなったわけだが…いいかげん、マイアミは忘れよう。あれは、自分を戒めるのに使うのはかまわんが、不甲斐ない戦い方で狭まった可能性にすがるために持ち出すのは、ちょっとかっこ悪いので、やめたい。
今日はっきりしたことは、前節はくだらない負け方をしたのが気に入らなかったんだということ。力が足らなくてやられたのならわかる。気が抜けてやられるなんて、滅茶苦茶ムカつくパターンだ。ブラジル戦は結果はどうであれ、「よくやった」と思わせてほしい。