東京vs浦和(CS)

A3などという余計なイベントにかり出された後のリーグ戦。正直、A3ってすげぇ迷惑な大会だと思う。AFCチャンピオンズリーグとかアジア杯とかスケジュールがパツパツなのに、KとかCのために特別にやることはないと思うんだよなぁ…。他に交流戦的な大会や、やることが無いってんなら、3国の上位2チームとかでリーグ戦でもやればいいのかもしれないけどさ…。なんか、罰ゲームって感じがする。

で、肝心の試合の方だが、こういうパツパツぶりなので疲れ残りを心配していたのだけど、そこそこがんばれていたし、結果が出たのが何よりも良かった。この試合での驚きは相馬。このブログでは、さんざんこき下ろしてきたのだけど(期待してるからなんだけど…)、今日の試合はいつもとひと味違う。対面する徳永をモノともせず、特に前半は完全に左サイドを制圧していた。1vs1で突破を繰り返し、良いクロスを何本も送り、守備にも奔走する縦横無尽(ポジションを考えると往復無尽、かもしれない)っぷり。どーしたんだろ。ナニがあったんだろ。いつ脱皮したんだろ。という感じ。こういうのだと頼もしいですよ。相馬さん。そしてなんと言っても達也の復活弾。やっぱり攻撃の意識はエライ高いよなぁ…この人。ガンガン前に行くし、躊躇無くシュート打つし。先制点なんてその最たるもの。ワシントンがドリブルをミスって置き去りにしたボールを持ち替えて強シュート。あんなに寄せられてコース無かったら、下手すると下げるところだよなぁ。エライ。この後も、ずーっとワシントンの回りをウロチョロ(言い方は良くないけど)して、虎視眈々とチャンスを狙ってた。この姿勢がこの試合の前半から後半の中盤くらいまでの流れを引き寄せていたと思う。達也が引いて1トップになってから前戦へ行く回数が減ったのは、やっぱりワシントンの1トップはそろそろ限界なんじゃないんだろうか…という推測を裏付けてるんじゃないかと思う。ワシントンは間違いなくエースなんだけど、やっぱり活動量が物足りない。達也がいてハッキリした。ワシントンを軸にクルクル動き回ってくれる相棒が必要だ。怪我が思わしくなかったような交代をしていたが、次節以降も期待したい2トップだ。ディフェンス面では、闘莉王の存在の大きさを再認識。闘莉王自体は、鬼神の活躍、というわけではなかったのだけど、ラインが安定していた気がする。坪井にしても阿部にしても、後ろに闘莉王がいることの安心感で、いつもより思い切りよくプレーできたんではないだろうか。怪我で退いたのが気になるが、やぱり欠かせない存在だ。
東京は、攻撃面で石川が居なかったのは響いていたかもしれない。川口は悪くないんだけど、ガンガン行って攻撃の意識を見せるってのはキャラじゃない。逆サイドの鈴木は良かったけど、マッチアップしてる暢久も今日は調子がよかったから、あんまりそのすごさを発揮できていなかった感じ。それから、今野が達也に張り付きになってたのは、戦術としては良くなかったんじゃないかと思う。張り付きをすることで最終ラインに押し込められた今野には、前戦まで上がってくるようなプレーは期待薄。中盤からなら飛び出してくるけど、DFラインから出てくることは難しかっただろう。まして、達也を捨てて出るには、今日の浦和のミドル〜ロングパスは精度が高すぎた。また、そのリスクを負ってまで出て行くほど、前戦が不調だったわけでもないのが…。つまり、なんかかみ合ってなかったというのが、東京の後半中盤までの流れ。その後の支配は見事だったけど、ちと遅かった。浦和の追加点がルーカスのOGというのも、気分的にガックリ来ただろう。ルーカスは、決定機こそ無かったけど、浦和にとって十分に驚異だった。それなのにゲットしたのが同点弾ならぬOGだったのだから。リチェーリが川口に変わって入った後から流れが良くなったが、攻撃が成就することはなかった。もう1つ、東京にとって良くなかったのは梶山の存在感のなさ。世代別代表でもたまにあるのだけど、梶山自身はさほど悪くないのに、ゲームから消えることがある。この試合はまさにそうだった。ミスを連発したわけでも、足が止まっていたわけでもないんだろうけど、存在感が希薄だった。これが無くなると怖い存在なんだけど…今の梶山はそういう意味では怖くない。精度は悪いけど自分の強さをガンガン出して、クロスやミドルでチャレンジしてくる鈴木とか、しつこく縦を狙っていた川口の方がめんどくさかった。

というわけで、久々に浦和の試合をリアルタイムで見て、勝ち試合だったので、満足満足。細かく指摘すればいろいろと欠点も目に付くけど、A3という罰ゲームの後だから大目に見ることにしよう。

vsモンテネグロ(地上波)

録画してあったものを見た。前半だけは結果を知っていたので、その過程と後半の様子を見るという感じで気楽に見る。
一言でいうと「ようやく見えてきたところはあるかなぁ」という感じ。前半の、長短織り交ぜた早いボール回しと、前戦での連動性(縦に行く回数は物足りないとしても)と、ディフェンスラインの押し上げっぷりは、アクティブな動きの代表的な内容であり、目指す方に頭が向き始めたという印象。一方の後半は、前半とはガラッと変わって、モンテネグロに押し込まれる時間帯が続く。
この、前後半の代わり方の原因は、前半に多用していたサイドチェンジが減ったことで、狭いスペースでの攻防が続いた結果、足の長さ(!)や体格、基本スキルが優れているモンテネグロが得意な領域になってしまったこと。モンテネグロの守備の間を通せてたパス、あるいは、それらを引き出せていた要因は、長いパスが出るからモンテネグロがゾーンを狭めきれない(どちらかに寄ると、サイドチェンジになった際に寄せが遅れてピンチになるから)ことで出来たギャップを上手く利用できたことだったのに、その長いパスが消えれば、パス先はそう遠くないわけだから、おのずと攻防のフィールドは前半より小さくなる。テクニックのある大男相手にフットサルをやるようなもんだ。そして、もう1つ、モンテネグロがチームとしてまだ十分に熟成されていないことが分かるような戦いだったこともある。おそらくモンテネグロは、個人の中にある基本的な戦術の寄せ集めで戦っていたのだと思う。それは、監督が怠慢などではなく、集まる時間がなかったんだろうと思う。勢い、選手各人が経験としてもっている戦術眼をもって、戦わざるを得なかった、と。その根拠として、ボールポゼッショナーへの寄せが少し遅れること、カウンターになったときに、ポジションを捨てて、とにかく人につくこと*1があげられる。また、カウンターなどの際にも決まった形はなく、見えた選手、空いている選手を瞬時に選別してどんどんボールを回す。日本のようにアウトサイドを使うために、詰み将棋のようなボールの回し方をしているというよりも、自分のリズムで間に合う仲間へ預ける感じ。あー、これって、南米のチームみたいじゃん。だから後半は手こずったのかもしれないよなぁ。
選手を見てみると、良かったのは、高原、矢野、、駒野、中澤あたり。駒野は佐藤寿人ウェズレイに感謝せよ。センタリングやパスの精度を高めてくれるのは、実はストライカーだったりする。良いストライカーってのは、「良いパスの出し方」や「良いパスとは何か」を教えてくれる優秀な先生だと思うからだ。遠藤や中村、山岸も、ある時間帯で見ればすごくよかったんだけど…遠藤は守備時の消えっぷり(ボールに絡んでるときはすげーと思うけど)、中村は後半の精度の悪さ(後半の半ば以降は、ロングパスが減ったし、ミドルも打ち上げちゃうし)、山岸はがんばってるけど、ここぞの精度が期待以下だった、というのがあるので、良かったとは言えないかと。藤本は短すぎた。もう少し長く見たかった。ちょいと残念。例えば、右に水野、左に家長を置いた状況で、どんな風にタクトをふるうんだろう…とか。
結果が付いてきたというのは良いんだけど、課題も多い。まずは、上でも少し触れたように「長短織り交ぜたパスでリズミカルに攻める」が、90分続かないもんだろうか。次に、長いサイドチェンジが出来る人が少なすぎる。もっと長いパスを出せ。もっと低い弾道で。目指せベッカム。それから、ラインを浅くする一方で、ポカっと裏を取られるのは長いこと修正できてない。ボールへのチャレンジの仕方が甘いし、何より、粘りのある守備を見ることが出来なかったのが気になる。前回のアジア杯での勝因は「粘り」だと思っているので、この辺でガシガシと戦う姿勢を見せてもらいたいもんだ。それにしても、ど真ん中を切り裂くような突破って、いつから見られなくなっちゃったんだろ。アウトサイドにこだわり過ぎではないですかね。どんなこともそうなんだけど、相手を騙すには布石がいるわけで、もう少し相手との駆け引きみたいなものを学んでもらいたいなぁ、と思う。局面で完結するのではなくて、もっと俯瞰で見ましょうよ。45分づつ、90分しかないゲームなんだから。

*1:これが日本にはかえってやっかいだったのだけど。なにせ、ダイヤゴナルランをしても、ポジションを無視してずっと付いてくるから、最後でフリーになれない。実際、矢野も高原も佐藤寿人も巻も、最後までDFに付ききられている

東京vs千葉(BS)

味スタで行われた試合。ザッピングしながら見てたので詳細に解説することはないけど、「あー、サッカーらしい崩れ方だなぁ…」という内容だったのでメモ。あんまり良いところがない同士の試合で、どちらも波に乗りたい、あるいは、良い方向へ向かうように切り替えたいと思っていたはず。結果から言うと、FC東京がその流れを獲得した。
で、もちろん「サッカーらしい崩れ方」というのは、千葉のこと。ルーカスに先制された後、バックパスのミスから加点を献上し、あれよあれよで4-0。佐藤勇人のすばらしいミドルシュートで1点を返すも、チーム全体でその流れに乗ることが出来ず惨敗。この、バックパスがえらくいただけなかった。まず、セオリーとしては、ゴールの枠を外す−つまり、GKが万が一空振りをしてもコーナーキックになるようなコースに出すべきだし、GKの立石の指示も良くなかった(ように見えた)。勝てて無くてリードされたら、気弱になるのも分かるけど、アウェイゲームで押されているような場面では、逆に強気でいけないことで雰囲気に呑まれてしまうのは、まぁ、あることなんだけどねぇ…。その後の失点も、ぽっかり空いたところからのフリーでのシュート、オウンゴール、と、プレゼントばっかり。得点上は、FC東京の快勝かもしれないし、FC東京の強気なガンガンと前へ行くサッカーがかえってきたような印象がある試合だったけど、結局は千葉の自爆というのがこの試合を表すのにふさわしいのではないだろうか。もっとも、その自爆を招いたFCのアグレッシブな戦い方は褒めるべきだとは思うけど、根本的な問題は解消できていないような気がする。もっと強固な守備で、確実性の高いカウンターや攻撃を繰り出す相手と、今の状態で戦えるのか?という点において。気分的に波の乗れる素地は出来たはずなので、FC東京は上へ向けるきっかけにはなるという意味で、この勝利が持つ意味は多いけど、人ごとながら気になっている。その辺が。メンツもいるし、原さんだから、そんなに悪いサッカーになるわけがない…と思ってるだけに。
一方の千葉は、なんとなく、細かいところでちょっとずつズレていて、足らない感じ。カウンターで2本まではつながるのに、相手の守備を崩す決定的な縦パスの次がつながらないとか、相手の守備をゆさぶるためのつなぎが遅いとか、サイドチェンジを受け損ねるとか…。強い千葉ではありえないポカのオンパレード(死語)では、高校生にだって勝てるかどうか。特に最終ラインの選手がおっかなびっくりやってる感じとか、MFより前で気を吐いていて、かつ、実行力が高いのが水野と佐藤勇人だけじゃ、勝つのが難しいだろう。ちょうどこの試合では交代選手となった、山岸、工藤、巻(以上は先発→交代)、楽山、朴、青木(交代出場)のプレーが良くなってこないと辛い。逆に言えば、この選手たちの調子が上向きになってかみ合ったら、相当怖いチームになると思うんだが…。
というわけで、全体的な印象をつらつらと書いてみた次第。あんまりくそまじめに見なかったので、細かな認識違いなどはご容赦。

vsシリア(地上波)

良かったことが比較的多い試合だったように思う。いくつか並べると、1)2次予選へ進んだ、2)勝った、3)無失点だった、4)前半の圧倒ぶり、5)今後2試合はあれこれテストできる、6)子供の応援がほほえましかった、などが思いつく。
ただ、前後半での出来の違いにはビックリというより「また歴史が繰り返されているよ」と思った。中東のチームは、統計こそ取ってないけど、しつこい。マジメであきらめない。スピードとスタミナ、テクニック、そしてなにより闘志を絶やさない。仮に5失点していても。というイメージがある。
そういうのが、日本はわかってない気がする。もちろん、選手に言っても仕方ないんだが、少なくともスタッフはわかってるだろうよ。だからこそ、「絶対的高さ」がある平山を、反町さんは最後まで残したんだろうし。
もう少しつっこんでいくと。
前半は「反町サッカー」の熟成が進んでいる気がした。シリアの軽くはないプレスの中で、テンポ良く前線までつないでいく小気味よさと、逆サイドを取る大胆さが上手くミックスされていた感じがした。だが、それにフタ((c)湯浅)をしていたのが、平山。この人、どうしてこうなんだろ。試合中、何度も「裏を取れ」というパスが出ていたのに、とうとう、自分から走り込んで受けるプレーはなかった。ほぼ後ろ向きでパスを受けて戻す。もしくは、テキトーな体制でアウトサイドで流すパスをミスる。珍しく前を向いて受けたかと思えば、すぐに後ろへ戻すかトラップミス。かといって、その「高さ」が生かせてもいない。前半、相手DFに完全に競り勝った場面などは、ワシントンでなくても、高松あたりなら簡単に枠へ飛ばせているはずの決定的な形だ。次節以降の起用方法で反町さんの意向がわかるような気がするが、このまま平山を使い続けるなら、「反町サッカー」は完成しない。彼の考える「人とボールが動くサッカー」に逆行してるからだ。
「平山が使えない」ことが、後半になって、苦しい状況を加速させてしまったのは、当然の結果だろうと思う。何せ、前線で収まってほしいパスが収まらないばかりか、そもそも顔を出せてない。画面では確認できなかったが、何度か受けるポジションを取っていたのかもしれない。しかし、平山がボールを受けてないということは、パスが出ていないからで、信頼されていないと見て間違いない気がする。おそらく、本人は気がついてないだろうけど…。
その後半のシリアだけど、冒頭で少し触れたとおり、タフな運動量と高い技術を持って、巧みなパスワークで日本ゴールへ迫る。日本の軽いディフェンスや当たり、安易なパスミスなどの要因はあるにしても、特にギャップを狙ったパス交換が良い。パサーの技術や視野だけでなく、レシーバーのポジショニングと動きだしの質が高いことが、その実行精度を上げているベースだと思う。もしかすると、速攻でなくても細かくポジションを変えて、安定してボールを動かすようになったら、ボールを持っている間はかなり危険なチームになれそうな気もする。もちろん、守備力については考えていないので、強豪になれる保証はないけれども。
さて、平山ばっかり文句言ったので、ちょっとフォローしておくと、あれだけ広いトラックを挟んだスタンドからの子供の声援が聞こえるのに(まぁ…マイクの位置などはあるのだろうけど…)、ピッチの中から声が聞こえてこないのはいただけないだろ。サッカーの試合中なんて、怒号が飛び交うような「指示の出し合い」をしなかったら、チーム力が半減してもおかしくない。もっと会話しようよ、会話。後半、盛り返し損ねたのは、行き違いのパスミスが多かったこともあると思う。パスって、つながらないとガックリくるもんです。
という感じで、まぁ、相変わらず文句は多いのだけど、反町さんのベースは見えてきたので、今度はそれを高い次元で安定させることと、高い意識と闘争心を持ち続けられるマインドセットを工夫してもらいたいなぁ、といったあたりを期待しております。なんてこというと、偉そうだけど、望みがなかったら文句も言わないよん。

浦和vs甲府(BS)

また民放への愚痴になっちゃうんだけど…TBSはテレ朝と並んで、もっともサッカー中継に関わって欲しくない局なんだけどね。アナウンサーは下手だわ、余計なゲストを呼ぶわ、平気で中継にCM挟むわ。最低。いつも繰り返して言ってるけどね。ファンとしては、負傷した選手がどういう様子なのか、というところまで見たいんであって、CM挟む良いチャンスではないんですよ。その辺が分からないんだから、ホントに止めて。スカパー!に任せていただきたい。ホント。
浦和の方は大宮と違って、内容は良くない。むしろ、ボール回しは甲府の方がいい。横浜FCといい、大分といい、選手層に難がありそうなチームの方が、オーガナイズに関して丁寧だよな。オジェックさん、少し雑なんじゃないの?コンビネーション。良いなぁ、と思ったのは、永井、ポンテ、ワシントン辺りのカウンター時の動きだけじゃん。(1点目は闘莉王がオーバーラップで絡んでたけど)
とにかく、守備をするにしても、攻撃をするにしても、流れというのが見えない。相手に合わせて、行き当たりばったり、その場で選手の能力だけでプレイしている。よく言って変幻、悪く言えばその場しのぎ。確かに、選手のレベルが高ければそこそこ戦えるのは分かる。でも、勝っただけで満足する時代は、2006年に終わったわけですよ。チャンピオンと呼ばれる立場になったんだから、内容も求められる。それだけのタレントが集まっているわけだし。監督が変わったから、立ち後れてる点もあるんだろうとは思うけど、人もボールも動くようなサッカーが見たいもんだ。ワシントンも、得点感覚はすばらしいけど、恐らく、今年は昨年よりも疲れが溜まってきたら、動けなくなると思う。そのとき、十分な時間をワシントンに残していけるのは、周囲の選手とのスムースなコンビネーションになる。デコイとして小野や阿部あたりが走り込んだり、ワシントンへの楔が打たれたと同時に両サイドがサポートにはいてくるとか、ワシントンを囮にして追い越して上がっていくとか。とにかく、連携が悪くて、つまらない。今年は、百歩譲って、勝っていけばいいのはAFCだけだと思う。でなかったら、海外にファンを作るような、魅力あるチームなんざ、夢のまた夢ですわ。今日良かったことは、無失点だったこと。前節の同点劇はみっともなかったからなぁ。甲府のすばらしい猛攻を受けきって、すぐに修正したのは収穫だと思う。にしても、面白くない試合だったなぁ…。はぁ。

大分vs大宮(CS)

大宮はアウェーで、勝利無し同士対決。結果を先に言ってしまうと、無勝記録を3に伸ばしたのは大宮だった。前半はガチっとしたつぶし合いでスコアレスで折り返す。両者とも内容はさほど悪くないが、ボールがスムースに回ってるのは大分。とはいえ、大宮も前節から比べれば、ずいぶんとスムースに縦が使えている感じがした。
後半になって試合が動くんだけど…。1点目は「ああ、またセットプレーからか…」という、アンラッキーな形。フリーになっていたという感じでもなく、逆に3枚も詰めたのに隙をつかれて綺麗に流し込まれた。2点目は、アウグストを中心にしたカウンターだったのだけど、タイミングだけで打ったシュートが寄せたDFの間を抜け、ポストをかすめてゴール。これらの点が入る前、主税のFKが*1シュートがわずかにポストを叩いている。前節の早十といい、ココまでくるとツキの問題かなぁ…と思ったんだが、問題は3点目。30mくらいのロングパスをワンタッチで縦に流されて、高松がフリーでシュートした、完全なカウンター。2失点したから気を抜いていたというわけではないんだろうけど、あまりにもお粗末な対応だった。
救いだったのは、この後、波戸のオーバーラップから吉原が1点返した形が、「今風」な、縦のポジションチェンジを絡めた、教科書に載せられそうな綺麗なオープン攻撃だったこと。こういう、フォローやサポートが厚い攻撃を最初から繰り返していれば、もう少し点の匂いがするチームなんだと思うんだけど…。
内容は問題無いんだけどなぁ…という感想をもった前節だったけど、監督の試合前のコメントを聞いてちと不安になった。「左は早十、右は主税に個人突破させてチャンスを作らせる」と言ってるそうな。これは、今回の試合も見られた流れの悪さを裏付けている。今のJリーグで、個の力に全幅の信頼を置けるアタッカーなんて、数えるほどしかいない。しかも、そういう人はだいたい現役の代表クラスだ。主税は代表として声がかからなくなってしばらく経つし、早十も世代別代表に呼ばれていない。というところからすると、残念ながら、ロバート監督の考え方が正しい方に近いとは、言えない。これらのことを良い方に考えるとすれば、この方針に違和感を感じている選手が、監督と対話して、自発的な行動を取ることを、期待しているのではないかなぁ、ということ。「ゴールしたら喜べ=積極性を持て」と窮屈な拡大解釈をすれば、チームの方針も監督のトップダウンでなく、選手が会話をすべきなんじゃないんだろうか。そういうの、嫌いな監督でもなさそうだし。まぁ、いつトンネルを抜けられるかな。昔の浦和で慣れちゃったので、3連敗くらいどってことないや。マジで。
大分も嫌いなチームでなく、むしろシャムスカや高松や西川をひっそりと応援してるから、彼らにとって良い結果だったのは良かったかな、と思う。

*1:なんでここ、FKって書いてるんだろ。外から抜け出した形だったのに…

vsマレーシア(CS)

前半27分過ぎから。すでに1点入っていて、それがどういう影響を与えたかは分からないので、まぁ、平山が得点したってのは良かったんじゃないのかな、としておく。そんでもって、内容が悪かったので、個々のことというよりも、慢性的な問題点を突っついてみることにしてみる。
マレーシアは雨が降ったようで、3割くらいが田んぼみたいな状況。足場が悪くなると、必ず「日本の持ち味が出ない」というのが頭に浮かんでしまうんだけど、実際のところ全くナンセンスだよなぁ。ちゃんとした育成環境整ってる欧州でも、荒れ地みたいなところで育った南米でも、状況に応じたプレーはきちんと出来ているんだから。そういう「応用力」とか「適応力」が低いんだよな。結局。
今回も過去を踏襲するかのような苦戦ぶりを披露してくれた日本代表。一応フォローじみたことを言っておくと、それでも時間が経つにつれ、足場に慣れたようにスムースなプレーになっていったけどね。マレーシア代表にしたら「ホームだから」というのもあるんだろうけど、グッチャグチャなピッチにはずいぶんと慣れた感じでプレーしている上、ごく当たり前に、前戦へ簡単に長いボールを放り込んでくる。細かいことはしない。嫌になるくらい、くそまじめに縦をつくカウンターを繰り返す。精度は低いんだけど、これがホントに頭にくる。今更改めるでもないが、日本はこういう攻撃に弱い。競る相手やパスの軌道が高くなくても、弱い。簡単にクリアとかをミスするし。弱いんだよなぁ。ここ数年のA代表では、ハラハラすることもなく無難にこなしているからすっかり忘れてるけど、伝統と言っていいくらい浮き球に弱い。しかも、このレベルの予選だと、相手をなめてるようなディフェンスをするから、ファウルを連発して、また長いボールを蹴らせるきっかけを与えてしまう。うーん。なんで進歩がないかなぁ…?全体の流れで言えば、中盤での運びとかディフェンスの粘りはさほど悪くない。悪くないからフィニッシュまでいつもと同じようなリズムでプレイしてしまう。足元へつないでみたり、ひきつけてからの短いスクエアパスでミドルシュートを打たせようとしたりする。アイディアは悪くないんだけど、それは「良馬場*1」の場合。ぬかるみが多くてボールが止まることの方が多いんだから、浮き球を有効に使うとか、解説の風間さんが再三指摘していた通り、カウンターでの最後はスペースを使うとかすればイイのなぁ…。マレーシアの戻りは早いし、ラインも深めだから、なかなかそういうところを使うのは難しいのかもしれないけど、マレーシアは果敢にチェックにくる。ってことは、その、前にチェックに来た時にボールがつなげたら、縦に動き出すように、MFの誰かが気を遣ってないとイカンだろう。また、出す方も、後半になって水本や水野が再三狙っていたように、ナナメに、角度をつけて出さないと効果が薄い。この辺はとても当たり前すぎてもはや愚痴の範疇になってしまうんだけど…JFAの技術委員会は何をしてるんだろうか。ちゃんと過去のフィードバック、してる?
てな具合でかなり苦戦はしたし、余計なイエローカードが貯まったし、なんだかもにょもにょした内容ではあったけど、家長の個人技から、平山を諦めて投入された李が初得点できたのは良かった。FWってのは点獲るとガラっと変わることあるからね。オマケみたいに1点返されたけど、まぁ、あれだけFK与えてれば、そりゃ当たり前ですよ。失点にキリキリする前に原因を修正しないとイカンです。次は2週間後に国立だっていうから、見に行ってみましょうかねぇ。チャンスがあったら。

*1:競馬のコンディション表示ってのは便利だなぁ